【大阪大学】自由な視点で楽しめる複合現実感! 一般的なドローンでも体験できるMRシステム ― 2つのビジョンベース自己位置推定法で正確な位置合わせ
Digital PR Platform / 2024年6月7日 20時5分
【研究成果のポイント】
◆市場で入手できる、一般的なドローン視点のMR(複合現実感)※1 の実現に向け、飛行ルートを事前に定義する必要なく、現実世界と仮想世界を正しく重ね合わせる位置合わせシステムを提案。
◆ビジュアルポジショニングシステム(VPS))※2 と自然特徴ベースのトラッキング※3 という2種類のビジョンベースの自己位置推定法を統合することで実現。
◆提案したシステムによって、従来の方法と比較してより正確で柔軟なドローン視点MRアプリケーションが実装可能に。
◆提案したシステムは汎用性が高く、将来的には都市景観シミュレーションや点検業務の補助などさまざまな用途への応用が期待される。特に建築・エンジニアリング・建設(AEC)分野におけるドローン利用のさらなる発展への貢献に期待。
【概 要】
大阪大学大学院工学研究科の木下愛梨さん(2024年3月修了)、福田知弘准教授、矢吹信喜教授らの研究グループは、VPSと自然特徴ベースのトラッキングを組み合わせたドローン視点のMRを実現する位置合わせシステムを提案 ・実装しました。この方法では、カメラの情報のみを使って現実世界と仮想世界を正しく重ね合わせることができるため、一般的に入手可能なドローンを用いて飛行ルートの事前定義なしでMRを実行することができます。
本研究成果は、2024年4月29日(月)(日本時間)に、学術雑誌「Drone Systems and Applications」(Canadian Science Publishing社) にオンライン掲載されました。
【研究の背景】
近年、さまざまな分野でドローンとMRの統合が期待されており、すでにいくつかのアプリケーションが提案されています。特に、都市や建築物のような大規模な空間を対象とした景観シミュレーションなどを行う場合、ユーザの行動範囲に制限されないドローン視点のMRによる可視化は有効です。しかし一般的に、ドローン視点のMRは、アプリケーションの開発・実装のために特別な機体やソフトウェア開発キットを使用していました。これではアプリケーションの汎用性が低下し、ユースケースが限定されてしまいます。
この問題に対して先行研究では、 画面共有やストリーミング配信のような汎用性の高い技術 を用いてMRと市販のドローンを統合する方法が提案されました。しかし、先行研究の方法では、現実世界と仮想世界の動きを一致させるためにドローンの飛行ルートを事前に定義する必要がありました。つまり、MR の実行中に軌道を変更することができませんでした。
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