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国際共同第2相試験で糖尿病治療薬チルゼパチドのMASH(Metabolic dysfunction-associated steatohepatitis)改善効果を報告

Digital PR Platform / 2024年6月12日 10時0分






研究内容
 本試験はランダム化二重盲検プラセボ対照試験であり、10カ国130施設で実施されました。対象は生検によりMASHが確定し、BMIが27~50kg/㎡の18~80歳の患者で、2型糖尿病の有無は問いませんでした。組織学的にMASHが確定している(NAFLD activity score 4点以上、各サブコンポーネント[肝脂肪化、肝細胞の風船様変性、炎症]のスコアが1以上)、線維化F2もしくはF3の患者を対象としました。
 190人のMASH患者に、チルゼパチド5mg(n=47)、10mg(n=47)、15mg(n=48)、プラセボ群(n=48)に1:1:1:1の比率でランダムに割り付けがされました。
 主要評価項目である「線維化悪化を伴わないMASHの消失」は、チルゼパチド5mg、10mg、15mg群でそれぞれ44%、56%、62%(プラセボ群は10%)となり、すべての容量のチルゼパチドでプラセボ群と比べ、統計的に有意な改善効果を認めました(いずれの群もプラセボ群と比較しP<0.001)(図1A)。
 副次評価項目の「MASHの増悪を伴わない線維化1ステージ以上の改善」は、チルゼパチド5mg、10mg、15mg群でそれぞれ55%、51%、51%(プラセボ群は30%)であり、すべての容量のチルゼパチドでプ改善効果を認めました(図1B)。
 副次評価項目の1つである「NAS 2ポイント以上の改善(少なくとも2つ以上のNAS構成因子の1以上の改善を伴う)」は、チルゼパチド5mg、10mg、15mg群でそれぞれ71.7%、78.3%、76.6%(プラセボ群は36.7%)となり、すべての容量のチルゼパチドでプラセボ群と比べ改善効果が認められました(図1C)。
 体重減少は、チルゼパチド5mg、10mg、15mg群でそれぞれ -10.7%、-13.3%、-15.6%であり、いずれの群もプラセボ群の‐0.8%と比較して減量効果が認められました。
 本試験におけるチルゼパチドの主たる副作用は胃腸障害でした(表1)。



[画像2]https://digitalpr.jp/table_img/1706/89629/89629_web_1.png

表1 本試験における副作用等の状況









今後の展開



 第2相臨床試験では、線維化F2/F3を伴うMASH患者に対するチルゼパチドの安全性と有効性が証明されました。今後、チルゼパチド長期投与によるMASHの肝線維化の持続的改善効果や、肝重症有害事象(major adverse liver outcomes: MALO)の抑制効果、また、MASH肝硬変患者に対する安全性や有効性を評価する第3相試験が期待されます。

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