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スマートフォンを回転させることで手足の器用さを定量的に測る手法を開発 ~成長・加齢・トレーニングに伴う器用さの変化を見える化し、運動能力向上に貢献~

Digital PR Platform / 2024年6月17日 10時0分

2.研究内容
 本研究では、思った通りに動かせるかどうかを簡単かつ信頼性高く計測するため、比較的速い速度で繰り返し円運動をする際の「動きのばらつき」に注目しました。単純な繰り返し運動は短時間でもばらつきを評価することができます。今回、測定を受ける人がスマートフォンを手に持つ、あるいは足に装着し15秒ぐるぐる繰り返し回す運動(図2)をした際の、加速度軌道のばらつき量を定量化するアルゴリズムを開発しました。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/89986/700_296_20240614181658666c0a8a3f79c.PNG

図2 手足の繰り返し運動の「ばらつき度」から「器用さ」の度合いを見える化

 右利きの方の両手両足の加速度軌道の一例(図2)を示していますが、左右の軌道を比較すると、手足ともに左よりも右のほうが軌道のばらつきが少ないように見えます。開発したアルゴリズムでその軌道を解析することにより、その「ばらつき度」を定量化することができます。
 4歳から88歳までの総計608名から得られたデータを解析し、手足の利き側・非利き側の「ばらつき度」を示したグラフ(図3)から、手足ともに利き側・非利き側で、ばらつき度は成長とともに減少し、その後一定となり、加齢によって増大することが明らかになりました。また、手足ともに利き側のほうが非利き側よりもばらつき度が小さいことがわかりました。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/89986/700_287_20240614181658666c0a8a43e0f.PNG

図3 手足の動きのばらつき度は成長と共に減少し、高齢で増大

 次に、この利き手と非利き手の器用さの違い、ばらつき度の左右差がトレーニングに影響されるかを検討するため、右利き、左利き、右手への矯正者(質問紙調査で右利き538人、左利き27人、右手への矯正43人)に分けて、ばらつき度を評価しました(図4)。右利きの人は左手の方がばらつき度が大きく、左利きの人は右手の方がばらつき度が大きくなっています。また、右手を使うように矯正された人は、左手と右手両方ともばらつき度が少ないことがわかります。右手を使うように矯正トレーニングを受けた場合には、右手のばらつき度が減少するだけでなく、左手のばらつき度は増えていない(器用さが低下しない)ということも明らかになりました。

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