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【大阪大学】"脂肪肝から肝がんになりやすい人"を見分ける新指標 ― 肝がんの早期発見・早期治療へ期待

Digital PR Platform / 2024年6月20日 14時5分

 本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)肝炎等克服実用化研究事業(JP23fk0210121)、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業(JP23H02894)の一環として行われました。

【用語説明】
(※1)GDF15
 血液中に分泌される成長因子で、TGF-βスーパーファミリー(細胞調節タンパク質グループ)の一種。肝がんを成長させる因子でもある(2020年プレスリリース:肝がん進展に関わる新たな分子を発見 https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20201224_2
)。
(※2)肝硬変
 肝臓が硬くなり、肝臓の働きも悪くなった状態。慢性肝炎などで肝臓の炎症が持続すると、徐々に肝臓の中に線維が増え、長い年月を経ると肝臓は硬くなる。
(※3)肝性脳症
 肝臓の働きも悪くなることで出現する意識障害。比較的軽い症状としては、判断力の低下や論理的思考力の低下などがある。重症になるとこん睡状態となり、目を覚まさない。
(※4)FIB-4 index
 血液中のAST、ALT、血小板数、および年齢の4項目を組み合わせて計算できる数値で、肝臓が硬くなっている危険度を判別に有用な指標。FIB-4 index>1.3が脂肪肝における肝臓の硬さの危険指標中リスク以上とされている。
(※5)肝生検
 肝臓の硬さや炎症の程度、脂肪の程度などを評価するため、肝臓の組織の一部を取ってくる検査。長い針を用いて肝臓の組織の一部を取ることが多い。
(※6)metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease: MASLD
 脂肪肝の中でも、二次的に脂肪肝になる原因がなく、飲酒量が比較的少なく(アルコール摂取量平均20g/日 未満)、1つ以上の心代謝系危険因子(BMIまたはウエスト径、血糖またはHbA1C、血圧、中性脂肪、HDLコレステロール)を有する患者の脂肪肝のこと。
(※7)非代償性肝疾患イベント
 肝臓が硬くなると、肝臓の働きが悪くなり、腹水や肝性脳症が出現したり、食道や胃にできた静脈のこぶ(静脈瘤)から出血したりする。このような肝臓の働きが悪くなることで出現するイベントの総称。

【疋田隼人講師のコメント】
 本邦では成人の約4人に1人が脂肪肝であり、脂肪肝から肝がんを発症した患者さんは近年急速に 増加しています。今回の結果から、血液中のGDF15が高い脂肪肝患者さんは、肝がんになりやすいことが分かりました。今後は臨床現場で脂肪肝患者さんの肝がん高リスク群の絞り込みに血清GDF15を活用することができないか、臨床応用に向けてさらに研究を進めていきたいと考えています。

(参考URL)
・竹原徹郎 教授研究者総覧
 https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/13acef152a9cd152.html


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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