ラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズ 500mW出力時の超低消費電力駆動達成
Digital PR Platform / 2024年7月2日 11時5分
~超低消費電力駆動のLDチップの実現により、環境負荷の低減に大きく貢献~
● C帯でのレーザダイオード(LD)チップ55℃において840mW動作可能であることを確認
● 500mWファイバ出力時の無効電力を半分以下に削減
● 500mWファイバ出力を5W以下の消費電力で駆動可能なレーザチップの量産技術開発を開始
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、高出力低消費電力駆動のラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズについて、C帯での55℃動作を達成し、無効電力を半分以下に削減することで500mWファイバ出力時の消費電力が従来製品の仕様8Wと比べ半分以下となる3.7Wの超低消費電力駆動を確認、量産技術開発を開始しました。
■背景
クラウドサービスの普及や生成AIの登場を背景にデータセンタなどで通信トラフィックが増大するなか、通信伝送速度の高速化に伴い、信号受信側のOSNR(注1)の劣化により伝送距離が短尺化し、特に既存の通信システムを活用して高速化する場合、信号光の品質を劣化させずに光出力を増幅するラマン増幅器の役割がより重要となってきます。また、高速伝送により信号の波長幅が拡がるため、大容量伝送を行うためには波長帯域の拡大が必要となり、励起用光源の波長を選択することで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器には高い柔軟性が求められます。一方で、従来のC帯・L帯に加え、S帯やU帯への帯域拡張により、使用される励起光源の数が増加するため、高出力低消費電力での駆動が一層重要になります。
励起光源は、搭載している熱電クーラー素子の消費電力削減が励起光減全体の消費電力削減につながります(図1)。励起光源が高温環境で使用される場合、LDチップを冷却する必要がありますが、これにより熱電クーラー素子の電力消費が増加し、励起光源の消費電力が上昇してしまいます。そのため、励起光源の低消費電力化にはLDチップの高温動作が重要な要素となっています。
■内容
FRL1441Uシリーズは、S帯・C帯・L帯において既存のラマン増幅器用励起光源と比べて消費電力を37%削減し、デュアルポート光源の開発により従来は2台必要だった励起光源を1台に置き換えることで省スペース化が図れることが特徴です。今回は、レーザ光の高出力化とレーザ素子の電気抵抗低減の両立を実現させるためのLDチップの最適化により、C帯において、LD温度55℃で840mWを14ピンバタフライパッケージで達成しました(図2、図3)。また、55℃のレーザ素子の高温駆動により無効電力を大幅に削減することで、現在広く使用されている500mWファイバ出力品の消費電力を、従来製品の仕様(8W)と比べ半分以下の3.7Wに抑えられることを確認し、量産技術開発を開始しました。この開発には、25年以上培ってきたInP(注2)系光半導体材料を用いた光半導体プロセス技術と高精度のファイバ結合技術に加え、当社独自の低損失・高効率の半導体レーザ素子構造を採用しています。また特許取得済み(注3)の高効率動作の半導体レーザ素子構造の設計最適化が生かされています。
本製品は本年7月にオーストラリア・メルボルンで開催される「OECC 2024」において、7月2日に口頭発表を行います。
OECC 2024(英語のみ):https://oecc2024.com/oral-presentation-listing
Paper #349 :https://oecc2024.com/program-overview
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