手術支援ロボットの最新機種ダビンチSPによる国内初の「乳頭乳輪温存乳房全摘出術」を施行
Digital PR Platform / 2024年7月5日 14時15分
~整容性と根治性を両立した体への負担が少ない乳房再建手術~
藤田医科大学病院(愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98 病院長:白木良一)乳腺外科は、米国インテュイティブサージカル社の最新手術支援ロボット「ダビンチSPサージカルシステム(以下、ダビンチSP)」を用いた乳頭乳輪温存乳房摘出術を施行したことを報告いたします。先端ロボット・内視鏡手術学(宇山一朗教授)、乳腺外科(喜島祐子教授)、形成外科(井上義一准教授)の領域横断外科チームにより2024年4月に第1例目、同6月に第2例目を行い、いずれも経過は非常に良好です。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2299/91169/150_185_2024070514003466877df25e2b6.jpg
多孔式(マルチポート)のダビンチXiを用いての症例は他病院で報告されていますが、単孔式(シングルポート)のダビンチSPによる同手術は、国内で初となります。喜島教授(写真左)は、「ダビンチSPを用いたことで、切開創が小さいことに加え、直視下の手術に比べ患者さんの回復が早いと感じる。乳がんは若くして発症することも多く、安全・確実にがんを取り切ることはもちろん、整容性も大きな課題。
乳腺外科の領域ではロボット支援手術はほとんど普及していないが、整容性と根治性に優れたダビンチSPによる術式を確立し、保険収載への道筋をつけることで患者さんの精神的負担の軽減やQOL向上に寄与していきたい」と話しています。
根治性・安全性・整容性の両立──ダビンチSPで乳がん手術の課題をクリア
早期の乳がんに対しては、乳頭乳輪温存皮下乳腺前切除術を実施してきました。乳房表面の皮膚・乳頭乳輪を残しつつ、皮下乳腺を全切除する手術です。乳房外側の切開部から丁寧に手術を進める必要があり、とくに乳房の内側領域を安全に処理するためには皮膚を強めに牽引したり、場合によっては切開線を長くする、乳輪縁に別の切開をいれる必要があるという課題がありました。
これらの課題解決に向け、当科では2022年2月に導入したダビンチSPの活用を検討。一般的に普及しているダビンチXiが4本のアームで構成されるのに対し、SPは1箇所の切開創(ポート)から、複数の鉗子による手術操作が可能なうえ、その切開創が3.0-3.5cmで済むために整容性が確保できるというメリットがあります。術者においては、ダビンチ初の2関節を有する軟性鏡(カメラ)と、自由に屈折する専用鉗子が、乳房の内側へのアプローチを容易にし、より安全安心な手術が可能に。喜島教授も「さまざまな課題をすべて解決できるのがSPだった。操作性も良く、術者のストレスが非常に少ない」と評価しています。
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