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【芝浦工業大学】光ファイバーセンサーにおける空間分解能の推定法を確立 -- 老朽化・被災したインフラ施設の健全性診断に貢献 --

Digital PR Platform / 2024年7月10日 14時5分

【芝浦工業大学】光ファイバーセンサーにおける空間分解能の推定法を確立 -- 老朽化・被災したインフラ施設の健全性診断に貢献 --



芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)工学部・李ひよん准教授(光波センシング研究室)らの研究チームは、ひずみ(伸び)や温度の分布情報を得るための光ファイバーセンサーにおいて、装置を追加することなく光源の変調振幅※1を見積もり、どの程度の細かい分布測定を行えるかを示す重要な性能指標「空間分解能」※2を正確に推定する新手法を開発しました。
光ファイバー中で生じるブリルアン散乱※3を利用したひずみ・温度の分布センシング方式「ブリルアン光相関領域反射計」(以下、BOCDR)※4では、空間分解能を把握するために、光源における変調振幅の測定が必要不可欠です。従来の測定では、高価で複雑な装置が必要でしたが、今回、レイリー散乱※5を併用することで、追加の装置やシステムの変更を伴わずに変調振幅を見積もる方法を開発し、空間分解能の正確な推定が可能となりました。この技術を活用することで、老朽化した、あるいは、地震等による被害を受けたインフラ施設を効率的に監視できるようになることが期待されます。




■ポイント
・ひずみ・温度の分布センサー「ブリルアン光相関領域反射計」では、重要な性能指標「空間分解能」の把握のために、光源の変調振幅の測定が必要不可欠
・従来は高価な装置や煩雑なシステムが必要であったが、今回、追加装置やシステムの変更を伴わずに変調振幅を間接的に測定する手法を開発
・社会課題となっている老朽化した、あるいは、被災したインフラ施設等の効率的な健全性診断に有用


■研究の背景
インフラ施設の老朽化や地震による被害は、社会的に大きな課題となっています。光ファイバーセンシングは、これらのインフラ施設が問題なく使用できるかを監視するための効果的な手法となり得ます。これは、施設内に埋め込んだ長尺の光ファイバー沿って、ひずみや温度の分布を検出することで実現できると考えられます。このとき、光ファイバー中で生じるブリルアン散乱が利用されます。
ブリルアン散乱は、光ファイバー中の微弱な音響波による光の非弾性散乱※6です。散乱の前後で光の周波数が変化し、その変化量に基づいて、ひずみや温度を推定することができます。ブリルアン散乱を用いてひずみや温度の分布を測定する手法はいくつか知られていますが、その中でも「ブリルアン光相関領域反射計」(以下、BOCDR)は、高い空間分解能とランダムアクセス性※7を有し、測定ファイバーの片端への光入射で動作するという特長を兼ね揃えている唯一の方式です。
BOCDRを含む分布型センサーにとって極めて重要な性能指標が「空間分解能」です。これは、測定ファイバーに沿って、どの程度細かくひずみや温度の分布を測ることができるかを表します。BOCDRにおける空間分解能は、光源の変調振幅によって決定されます。従来、変調振幅の測定には、高価な光スペクトラムアナライザーや煩雑なヘテロダイン検出システムが必要でした。

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