【あおぞら銀行】 SDGs取組企業へのインタビュー 「with Blue」
Digital PR Platform / 2024年7月23日 15時13分
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養殖のようす※
飼料メーカーのいま
インタビュアー:
まず、フィード・ワン(株)の事業内容について簡単に教えていただけますか。
フィード・ワン(株)橋本水産飼料部長(以下、「橋本氏」):
当社は「飼料で食の未来を創り、命を支え、笑顔を届ける」をパーパスとして、お肉・お魚・卵・乳製品の生産に欠かせない配合飼料、いわゆるエサの製造販売を主な生業としているメーカーです。
インタビュアー:
現在の水産資源を取り巻く環境についてはイメージが付くのですが、現在の生産者を取り巻く環境について教えていただけますか。
橋本氏:
陸上の畜産物が植物由来の原料等で作られた飼料で肥育されるのに対し、養殖魚は飼料に魚粉(魚を粉状にしたもの)が多く使われています。
近年魚粉価格は原料となる天然魚の不漁を受け上昇を続けており、このことが生産者の事業環境を大きく圧迫しています。
私たちメーカーとしては、魚粉の高騰で飼料も値上げせざるを得ませんが、原料高騰による値上げなので、誰かが値上げによる利益を得られているというような状況ではありません。
また、値上げをすることは仕方ないとはいえ、メーカーが飼料の値上げを行い、生産者が最終製品である魚の値上げを行えば、価格効果で消費量が落ち込む側面があることも事実です。各自値上げを進めたとしても、消費が落ち込み続ければ業界は立ち行かなくなり、結局は業界自体が潰れてしまいます。
今までは飼料メーカーは飼料メーカー、養殖業者は養殖業者と分けて考えるような面もありましたが、最終消費者までを視野に入れて考えないと、生産者を取り巻く環境は好転していかないと考えています。
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橋本水産飼料部長
魚を使わない「無魚粉飼料」
インタビュアー:
水産業界を取り巻く課題は、①水産資源の保護と②水産業界全体に対する対応が必要だということがわかりました。これらの課題認識の下、フィード・ワン(株)ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。
橋本氏:
どちらの課題も同時に取り組む必要があります。当社では、飼料に魚粉を使わないことで、水産資源の保護と生産者のコスト負担軽減の両方を解決できる可能性があると考えています。畜産動物と比べて魚の生態系は未だ解明されていない点が多く試行錯誤の連続でしたが、当社は2023年8月に無魚粉飼料の開発・商業化に成功しました。
インタビュアー:
無魚粉飼料とはどのような飼料のことでしょうか。
橋本氏:
無魚粉飼料とは魚粉を原料に使わない飼料のことです。従前から無魚粉飼料開発の取り組み自体はありました。しかし、魚粉を代替することが機能的にもコスト的にも非常に難しいことが課題となっていました。
魚粉は魚の成長に必要なアミノ酸組成と高い嗜好性(魚の食欲をそそる)を兼ね揃えた原料です。そのため従来の無魚粉飼料では、魚粉を補うための高単価な微量栄養素や添加物が多く必要となり生産コストが高くなる傾向にありました。加えて、魚の嗜好性も低下してしまうことから、成長にばらつきが出てしまう課題も発生し、コストと機能の両面で実用的飼料とは言えない面が多くあったんです。
当社が今回発売したサステナZEROという飼料製品は、フィッシュソリュブル(魚類の加工時に発生する煮汁の脂肪分を除いて凝縮)を採用する等、原料面の工夫により高い嗜好性を実現しました。また、飼料のアミノ酸バランスを最適化することにより従来の魚粉を使用した配合飼料と比較しても生産コストを抑えながら同等の成長性を実現しています。製品開発段階では過去に例を見ない9万尾規模の海洋生け簀(いけす)での大規模な野外試験も行いました。実証性を追求して製品化に辿り着いた製品と言えます。
インタビュアー:
なるほど。魚粉を使わないことで、自然環境的にもコスト的にも優しい製品ということですね。メーカーが担っている役割をしっかりと果たしているという印象を受けました。
橋本氏:
いえ、これだけでは全然足りないと思っています。原料高によって価格転嫁をせざるを得ない昨今の環境下においては、何もしなければ消費量が落ち込んでいくことは目に見えています。今までの飼料メーカーの視座を超えて、消費者の需要回復の流れも作っていかなくてはいけません。
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