「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024 powered by docomo」において「音響XRを活用した新しいスポーツ観戦」の実証を実施
Digital PR Platform / 2024年7月29日 12時20分
3. NTTの音響XRのポイント
NTT研究所では、耳を塞がないオープンイヤー型イヤホンを利用したリアル空間の音とバーチャル空間の音を融合させる音響XRの研究開発をすすめています。音響XRの利用先の一つとして、スタジアムでのサッカー観戦時に周囲の臨場感はそのままに、音声解説や空間音響コンテンツを耳元から再生することで、サッカー観戦の理解やスタジアムの盛り上がりを助けることが可能となります(図2)。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/92423/600_306_2024072911221866a6fcdaa9755.JPG
これまでNTT研究所では、ユーザーが聞きたい音響デバイスの音を提示する位置を制御し、周囲の音が被らない位置から、あたかも聞こえるように提示することで、周囲の音が耳に聞こえる状況下でも音による情報提示を可能にしました*4。しかし、音の提示に利用される頭部伝達関数(HRTF)*5は人それぞれに異なる耳介形状の影響を受け、全ての人に精緻に等しく音の方向を提示することに課題があり、クリエイターが意図した通りの同一の体験を提供することが困難でした。
今回NTT研究所ではオープンイヤー型イヤホンでも立体音響を実現する音響信号処理と、HRTFが周波数上に生じる谷(ノッチ)や山(ピーク)を制御することで音の方向を制御する千葉工大飯田研究室が開発したパラメトリック・ノッチ・ピーク HRTFモデル*6(図3)と組み合わせ、個人に適した複数種類のHRTFの配信を実現しています。さらにこの処理を配信者が手軽に利用可能なDAWのプラグイン*7 にすることで、普段の配信環境を維持したままリアルタイムに音の処理を行っています。これにより、それぞれの体験者に合わせて最適な音響XR体験を配信する実証実験を行いました。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/92423/700_520_2024072911221866a6fcdaa66e3.JPG
本実証実験で得た、音響デバイスでの音量、実況解説配信を聴きながら試合を観戦する体験による、集中力・耳の疲労感、HRTFの耳モデルの提供方法、実試合での体験提供のフィージビリティの確認を行い、今後の音響XRの研究開発につなげNTTグループ会社を通じたサービス展開を検討していきます。
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