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大腸がんの予測が可能となる腸内遺伝子マーカーに関する研究

Digital PR Platform / 2024年7月31日 15時3分

~大腸がんの早期発見につながる新たな腸内検査の可能性~

藤田医科大学(愛知県豊明市)消化器内科学講座、医科プレ・プロバイオティクス講座は、腸内で、胆汁酸の代謝途中に生成される、長寿やアレルギー、がんなどの発症に対して抑制的効果を発揮するイソアロLCAという成分に着目し、イソアロLCAを生成する特殊な腸内細菌と大腸がんのリスク評価を統計的に解析しました。その結果、イソアロLCAを生成する特殊な腸内細菌が有する5αリダクターゼ遺伝子(5ar)の存在量が大腸がんの進行に従い減少することを発見。発症後に診断されることの多い大腸がんですが、今回開発した技術は、大腸がんになる前の腺腫の状態から腸内の変化を検出できる可能性があり、大腸がんの早期発見・予防につながる技術として期待されます。
本研究成果は、国際誌「Journal of Medical Microbiology」の2024年6月12日(オンライン版)に公開されました。
URL:https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/jmm/10.1099/jmm.0.001834

本技術は“腸内遺伝子マーカー検査”と呼称し、特許出願中です。
この腸内遺伝子マーカー検査は、(株)PROUMEDと協力し社会実装に向けた研究開発を行っており、近い将来、企業の健康経営のための検診技術への活用を見込んでいます。

<研究成果のポイント>

特定の腸内細菌が有する5ar遺伝子が大腸がんのステージが進行するに従い減少することを発見しました
5ar遺伝子を指標として大腸がんに対する腸内遺伝子マーカー検査につながる可能性が示唆されました
腸内遺伝子マーカーを指標とし特定のプレバイオティクス注1)による大腸がんの予防につながる新たな補完治療の開発が期待されます

注1)プレバイオティクス:体に存在する良い効果を発揮する菌を選択的に増やす食品成分。
オリゴ糖・食物繊維など。

<背 景>
腸内環境への注目とともに、腸内環境をモニタリングする技術が日々開発されています。代表的なものに、腸内細菌を網羅的に解析する16Sアンプリコンシーケンスなどの技術があります。これらの技術は研究や医学的な用途では汎用性が高い一方、時間と費用がかかるため一般化するためには多くの課題があります。
本研究では、大腸がんに着目し、臨床的かつ一般の方々に、安価に簡便使用できる腸内検査の確立を目指し、大腸がんの進行に従い減少する5ar遺伝子を腸内遺伝子マーカーとする技術の開発に取り組みました。
この研究は、大腸がんの早期発見や予防に使用できる新たな腸内検査の発展につながる可能性があります。さらに、現在、5ar腸内遺伝子マーカーの減少を抑制するプレバイオティクスの研究も進めています。

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