手を振る動き(シェイク運動)が機能回復に及ぼす影響について共同研究を実施
Digital PR Platform / 2024年8月8日 11時50分
本研究は、学校法人東京慈恵会医科大学臨床審査委員会(CRB3180031)により承認されています。また、本研究は厚生労働省臨床試験登録(jRCTs032200164)に登録されています
本研究の成果は、Applied sciences誌に2024年7月19日付けで掲載されました。
【新機器作成に至る経緯】
脳卒中後遺症である上肢麻痺は、発症から時間が経つと麻痺が軽くても重くても機能改善が認められなくなるということが世界の常識になっていました。医療保険下のリハビリテーション治療が介護保険下のリハビリテーション治療に移行する考え方のベースになっているものです。
しかしながら、我々は発症から時間が経っていても適応基準を満たせば、反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)のような非侵襲的脳刺激療法を用いて麻痺が改善することを示し、2012年あたりからマスコミにも大きく取り上げられ、現在では世界のエビデンスとしても認められています。重度の上肢麻痺は残念ながら良い機能改善方法がありませんでしたが、2010年にボツリヌス療法が脳卒中後の上肢痙縮下肢痙縮に保険収載され、良質なリハビリテーション治療と併用することで機能改善に至ることが認識され、ようやく2021年にエビデンスとして日本でも認められてきました。
脳卒中後遺症は長く続くもので多くの方が苦しめられています。そのような状況を少しで改善しようとリハビリテーション治療も継続されている方がたくさんいらっしゃいます。我々は2008年反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)開始をきっかけに、少しずつでも患者の麻痺を良くしようと新しい治療法や訓練法のスキルアップに邁進して成果をあげていますが、脳卒中後遺症は長期にわたるため、患者が日常生活を送りながら、訓練に大切な訓練量を確保することが難しくなってきている事実も無視できない状況になってきました。そのため、テレビを見たり、話をしたりするなどの他の活動をしながら行う、“ながら”でできる良き訓練はできないものかと長い間模索をし、この新機器作成に至りました。
【対象・方法】
<対象>
日本国内の5つの病院で2020年12月から2023年6月までに登録された外来患者としました。参加対象者は、脳卒中の発症が少なくとも6ヵ月前で、20歳以上80歳未満の上肢機能障害のある脳卒中患者で上肢痙縮のために継続的なボツリヌス療法を受けている認知障害がない患者とし、研究内容を十分に説明され、研究内容を十分に理解した上で自発的な同意書を提出した患者を対象としました。93名を対象としました。
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