高ナトリウム血症がミクログリアへ及ぼす影響
Digital PR Platform / 2024年8月9日 10時0分
<研究手法>
マウスミクログリア細胞株(BV-2)に対し、2日毎に培地交換を行い、5回目の培地交換時にLPS※7刺激を行いました。急性高Na濃度群は、LPS刺激と同時に細胞外Na濃度を20 mmol/L、40 mmol/Lずつ上昇させました。慢性高Na濃度群は、培地交換毎に細胞外Na濃度を5 mmol/L、10 mmol/Lずつ上昇させ、最終的に20 mmol/L、40 mmol/Lの上昇が得られるようにしました。 LPS刺激の6時間後と24時間後に細胞を回収しました。また、NFAT5の関与を評価するため、LPS刺激の24時間前にsiRNAでNFAT5の発現を低下させた後、LPS刺激を行い、細胞を回収しました。
<研究成果>
急性・慢性の高Na濃度環境はいずれも、Nos2 mRNAの発現とNO産生を増加させることが示されました(図1)。また、高Na濃度環境ではNFAT5の発現が増加することも示されました。NFAT5の発現をノックダウンすると、高Na濃度環境によって誘導されるNos2 mRNAの発現とNO産生が抑制されました(図2)。主要なMAPK経路について解析すると、高Na濃度環境ではLPS存在下でERK※8のリン酸化が亢進することが示されました。さらに、高Na濃度環境により細胞内Ca2+濃度が低下し、Na+/Ca2+交換体阻害剤により高Na濃度環境により誘導される細胞内Ca2+濃度の低下、Nos2 mRNAの発現およびNO産生が抑制されました。ミノサイクリンは高Na濃度環境によって誘導されるNos2 mRNAの発現とNO産生を抑制しました。
以上より、高Na濃度環境によるミクログリアの活性化は、NFAT5と、NCXを介した細胞外へのCa2+流出が関与し、ミノサイクリンはそれを抑制することが示されました。また、ERKリン酸化の関与も示唆されました。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2299/93186/300_411_2024080818162466b48ce8bae5a.jpg
コントロールメディウムと比べて、急性高Na濃度(+40mM)と慢性高Na濃度(+20 mM, +40mM)の条件では、
ミクログリアのNO産生量が有意に増加した。
*, p<0.05; **, p <0.01; ***, p <0.001.
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2299/93186/400_287_2024080818162866b48ceca441e.jpg
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