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高ナトリウム血症がミクログリアへ及ぼす影響

Digital PR Platform / 2024年8月9日 10時0分


急性高Na濃度(+40mM)と慢性高Na濃度(+40mM)の条件では、siRNAを用いてNFAT5の発現を抑制することにより、
ミクログリアからのNO産生量が有意に減少した。
*, p<0.05; ***, p <0.001.


<今後の展開>
本研究の結果は、高Na血症によるミクログリアの調節異常が中枢神経系に悪影響を及ぼす可能性を示唆しています。今後、高Na血症による中枢神経機能障害について、さらなる機序解明が進むとともに、新たな治療法の開発が期待されます。


<用語解説>
※1 ミクログリア:
中枢神経系の免疫を担い、サイトカイン放出、異物の貪食、シナプス剪定等を行う。

※2 NOS2 (誘導型一酸化窒素合成酵素):
細菌感染などに伴って誘導される、NO合成酵素の一つ。

※3 NO(一酸化窒素):
神経伝達や免疫反応等に関与するフリーラジカル。

※4 NFAT5 (Nuclear Factor of Activated T-cells 5):
浸透圧ストレスに関する遺伝子の発現を調節する転写因子。

※5 ミノサイクリン:
抗生物質であるが、ミクログリアの活性化を抑制することが知られている。我々は、血清Na濃度の急速上昇に伴う浸透圧性脱髄症候群の動物モデルで、ミノサイクリンがミクログリアの活性化を抑制し、脱髄の発症・進展を予防することを報告している。

※6 MAPK (Mitogen-Activated Protein Kinase):
細胞内シグナル伝達システム。細胞外の環境変化や、増殖因子などの情報を伝え、細胞の分化、増殖、アポトーシス等を制御する。

※7 LPS(リポ多糖):
グラム陰性菌の外膜に存在する成分で、炎症性サイトカインの分泌を促進する。

※8 ERK (extracellular signal-regulated kinase) :
MAPKファミリーの一つ。


<文献情報>
●論文タイトル
Effects of hypernatremia on the microglia

●著者
布施裟智穂1、藤沢治樹1、村尾直哉1、岩田尚子1、渡邊崇2、清野祐介1、竹内英之3-5、鈴木敦詞1、椙村益久1

●所属
1藤田医科大学医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科学
2藤田医科大学 腫瘍医学研究センター 
3横浜市立大学 医学部医学科 神経内科学・脳卒中医学
4国際医療福祉大学 医学部 脳神経内科
5国際医療福祉大学熱海病院 神経難病・認知症センター

●DOI
https://doi.org/10.1016/j.peptides.2024.171267



本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp


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