実践女子大学所蔵の源氏物語・和歌コレクション展 豊富な古典籍から厳選 貴重な優品ずらり 深い魅力の堪能を
Digital PR Platform / 2024年8月9日 20時5分
9月9日(月)~9月29日(日)、実践女子大学渋谷キャンパスの香雪記念資料館で「創立125周年記念特別展覧会 実践女子大学所蔵 源氏物語・和歌 コレクション展-文庫(ふみくら)をひらくー」を開催します。 鎌倉時代に書写された古写本を含む7種類の源氏物語の写本を一挙公開します。美しい筆跡の違いが楽しめるだけでなく、翻刻(ほんこく、くずし字を現代日本語の文字に置き換える)と解釈を付けて同じ場面でも写本によって違う記述をわかりやすく展示します。この他にも、源氏の和歌や紫式部の和歌集など多数の古典籍(江戸時代以前に作られた書物)を揃え、源氏物語や和歌を深く堪能できる展示会となっています。
鎌倉〜室町の源氏の写本7種類 初公開の「桐壺巻の古筆切」で「光る君」と初めて呼ばれた名場面
実践女子大学は、古筆切(こひつぎれ)を含め源氏物語の写本や版本を100点以上所蔵しています。 NHKの大河ドラマ「光る君へ」の放送で、源氏物語に注目が集まる中、多くの人に大学が所有する資料や研究成果を披露することは社会的に大きな意義あると考え、源氏物語の展示会としては約10年ぶりに開催することにしました。
今回の展示では、源氏物語に関して、2点の古筆切と5点の写本(鎌倉~室町後期)の7種類を展示します。このうち「桐壺の古筆切」、「須磨」、「早蕨(さわらび)・宿木(やどりぎ)」の2帖の計3種類は、鎌倉時代末期から南北朝期に書写された古い古典籍であり、資料的価値が高いものとなります。1000年以上前に創作された源氏物語は、残念ながら紫式部の原文は残されておらず、転写された写本によってその内容が今に伝えられています。原文再建のうえで古写本の相対的価値は極めて高いものです。
桐壺の古筆切と、須磨の1帖は初公開。「いずれの御時にか‥」で始まる桐壺は、源氏物語54帖の第1帖。主人公の光源氏の誕生と成長が描かれていることで知られています。展示する桐壺の古筆切は「にほはしさはたとへん方なくうつくしげなるを、世の人ひかるきみときこゆ」(光源氏があまりに美しいので人々は「光る君」と呼んだ)を含むくだりで、源氏物語の中で光源氏を「光る君」と初めて呼んだ名場面です。
また、室町時代末期に冷泉明融らによって書写された著名な「明融本」も展示します。
400人超す登場人物を解説する系図 和歌にも注目
このほか、室町時代の源氏物語系図も展示します。源氏物語では 、400人 を超す人物が登場するともいわれ、名前や相関関係を把握することは難しく、他の登場人物との関係、どの巻に登場しているかなどが書かれた系図は、深く読み込むためには欠かせないものでした。
また、今回は、源氏物語とは切っても切れない関係の和歌にも注目しています。代表的なものは、紫式部の和歌集として、プライベート主体の内容で紫式部の恋愛観などの心情が汲み取れるとされている紫式部集の写本(室町時代後期)、大名家が娘の嫁入りの際に持たせる調度品にもなっていたという源氏物語の和歌を使ったカルタ(江戸時代)、天皇・上皇の命によって編纂された勅撰和歌集のうち、二番目に編纂された『後撰和歌集』を藤原定家が書写した名物切「紹巴切(じょうはぎれ)」(鎌倉時代)を展示。加えて、鎌倉時代の陰陽師であり、歌人でもある寂恵(じゃくえ)に注目して、重要文化財の拾遺集をはじめ、寂恵による筆跡の和歌集を集めたコーナーも設置。古筆切をアルバムのように収めた古筆手鑑(てかがみ)も初公開します。そのなかには、伏見天皇の真筆として著名な「筑後切」があります。
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