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腎機能障害は心不全患者の心臓突然死のリスクを予測できる

Digital PR Platform / 2024年8月30日 13時24分


<研究手法・研究成果>
2008年~2015年までの間に藤田医科大学病院へ入院しNYHA ⅡもしくはⅢ度の心不全患者を対象に退院後のSCD発症と、その予後予測因子を評価。突然死の定義は非外傷性であり、症状発症から24時間以内の死亡もしくは搬送時または病院到着時にVT/VFを認めた場合としました。評価の結果、1,676症例の心不全患者のうち、平均観察期間2年で198人が突然死を発症。そのうち全体の約1/4にあたる23%(46症例)が3カ月以内に発症していました。多変量Cox比例ハザード解析の結果、eGFR<30ml/min/1.73m2およびLVEF ≦35%が独立したSCDの予測因子であり、従来のNYHA分類、LVEFに加え、eGFR<30ml/min/1.73m2を追加することが、統計学的に有意であったことが明らかとなりました。同時にeGFRの予後予測力は3年目以降に低下していくことも判明しました。

[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2299/94209/600_338_2024083013104366d1464328abd.jpg



<今後の展開>
NYHA分類とLVEFに、eGFR <30ml/min/1.73m2を追加し評価することにより、心不全患者のSCDの正確なリスク層別化および、適切なICD植込みの適応評価が可能となり、心不全患者の生命予後の改善が期待されます。
本研究成果により、心不全退院後3カ月間、着用型除細動器(WCD)というベスト型の除細動器の着用を通して、SCDの予防、予後の改善が期待されます。


<用語解説>
※1 多変量Cox比例ハザード解析:
ある出来事(例えば、病気の再発や死亡)が起こるまでの時間を、複数の要因(年齢、性別、治療方法など)がどのように影響するかを調べるために用いられる統計解析方法

※2 NYHA分類:
心不全の重症度分類
Ⅰ度 心疾患はあるが、 普通の身体活動では症状※がない。
Ⅱ度 普通の身体活動(坂道や階段をのぼるなど)で症状※がある。
Ⅲ度 普通以下の身体活動(平地を歩くなど)でも症状※がある。
Ⅳ度 安静にしていても、 心不全の症状や狭心痛がある。
※疲労、動悸、呼吸困難または狭心痛

※3 eGFR※1(推定糸球体濾過量):
腎臓が血液をどれだけろ過しているかの尺度


<文献情報>
●論文タイトル
Renal dysfunction is a time-varying risk predictor of sudden cardiac death in heart failure

●著者
祖父江 嘉洋

●所属
藤田医科大学ばんたね病院 循環器内科

●DOI
10.1002/ehf2.14892. 




本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp


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