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慢性低ナトリウム血症とその急速補正がミクログリアの機能に影響を与えることを発見

Digital PR Platform / 2024年9月4日 15時12分


<研究手法>
慢性の低Na濃度のミクログリアへの直接的な影響を調べるために、ミクログリア細胞株BV-2と6-3細胞の培養液のNa濃度を一週間程度かけて徐々に低下させました(図1A)。また、Na濃度の急激な上昇の影響を調べるために、Na濃度を徐々に低下させたのち、Na濃度を正常まで急激に上昇させ、6時間培養しました(図1B)。これらの状態において、各種遺伝子発現量や一酸化窒素(NO)の産生量を測定しました。
また、生体での慢性低Na血症のミクログリアへの影響を調べるために、慢性低Na血症モデルマウスを作製し、その脳からMagnetic cell sorting(MACS)※5によりミクログリアを単離し、遺伝子発現解析を行いました。

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図1A. 低Na濃度での培養方法





[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2299/94464/400_167_2024090415025066d7f80a14b3e.jpg
図1B. 低Na濃度にした後、Na濃度を急激に上昇させる培養方法



<研究成果>
培養液中のNa濃度を徐々に低下させた低Na濃度群(図1A)では、コントロール群と比べて、ミクログリア細胞株からのNOの産生量およびNOを合成するNos2 mRNA発現量が有意に低下しました(図2)。また、浸透圧応答遺伝子であるNFAT5の発現量がコントロール群と比べて有意に低下し(図3)、NAFT5の核内に存在する割合も低下していました。低Na濃度群で、NFAT5を過剰に発現させると、NO産生量が増加し、低Na濃度によるNO産生の低下は、NFAT5を介していることがわかりました。
また、低Na濃度からNa濃度を急激に上昇させた場合、培養ミクログリア細胞株のNO産生量とNos2 mRNA発現量は有意に増加しました。このことから、ODSの病態において、低Na血症の急速補正は、部分的に直接、ミクログリアのNO産生量を増加させると考えられます。
さらに、14日間、低Na血症にしたマウスの大脳皮質から単離したミクログリアは、コンロール群のマウスから単離したミクログリアと比べて、Nos2およびNfat5 mRNA発現量が有意に低下しており、生体でも慢性の低Na血症がミクログリアの機能に影響していることが示唆されました。

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