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飛べない鳥エミューの翼が短くなる新たなメカニズムを解明

Digital PR Platform / 2024年9月20日 11時14分

●今後の展開
今回の研究は、手足の骨格形態の進化に対する運動量の役割を示唆する結果となった。胚期や胎児期に手足の運動量が抑制されるような自然環境におかれている生物において、骨格形態に影響が生じている可能性も十分に考えられる。本研究は、動物の形態の進化に環境要因による影響を受けやすい胚や胎児の運動量が関係していることを示唆する、画期的なものだと言える。

●付記
本研究は、JSPS 科学研究費助成事業(20H03301、17KT0106)、MEXT科学研究費助成事業 新学術領域研究「進化の制約と方向性」(18H04818)、三菱財団自然科学助成金、アステラス病態代謝研究会研究助成、山田科学振興財団研究援助、基礎生物学研究所共同利用研究(21-357)の支援を受けて実施された。

【用語説明】
(1) メカノストレス:組織や細胞にかかる物理的な力で、筋肉の収縮をはじめ、さまざまな力学的要因から生じる。この力は骨の発生や成長を含め、さまざまな組織の発達に重要な役割を果たす。
(2) 体節:発生中の脊椎動物の胚でみられるブロック状の構造であり、筋肉、骨、真皮など、体の主要な組織に発達する細胞が含まれる。通常、手や足の筋肉は体節由来である。
(3) 側板中胚葉:胚の外側に位置する中胚葉の一部で、手足の原基や体壁、心臓、血管などを形成する。
(4) 細胞死:細胞が死ぬ現象であり、発生過程や組織の維持において重要な役割を果たす。
(5) 原基:発生過程でさまざまな臓器や構造が形成される初期の段階。

【論文情報】
掲載誌:Nature Communications
論文タイトル:Immobilization secondary to cell death of muscle precursors with a dual transcriptional signature contributes to the emu wing skeletal pattern
著者:Eriko Tsuboi†, Satomi F Ono†, Ingrid Rosenburg Cordeiro†, Reiko Yu, Toru Kawanishi, Makoto Koizumi, Shuji Shigenobu, Guojun Sheng, Masataka Okabe, and Mikiko Tanaka
†These authors contributed equally to this work.
DOI:10.1038/s41467-024-52203-x

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