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前立腺がんの有無による腸内細菌の違いを発見 腸内細菌から前立腺がんのリスクを予測する手法の開発等に貢献

Digital PR Platform / 2024年9月26日 20時5分

【研究代表者コメント】
デベラスコ・マルコ
所属 :近畿大学医学部ゲノム生物学教室
職位 :講師
学位 :博士(医学)
コメント:近年、腸内細菌が健康と非常に関係が深いことが明らかになり、がんをはじめ、さまざまな疾患との関連が研究されています。こうした研究にはモデルマウスが用いられており、疾患の生物学を理解するために非常に重要なツールとなっています。私たちの研究室は、前立腺がんの生物学を解明し、新しい治療法を見つけることに注力しています。本研究では、ヒトとマウスの腸内細菌叢を調べ、腸内微生物と前立腺がんについての理解を深めることを目的としており、そのために、遺伝子組換えモデルマウスを使用しました。
今回の研究成果は、ヒトとマウスの腸内細菌叢における機能的な類似性を示しています。これは、腸内細菌叢に関連した疾患を研究するために、マウスが適切なツールであると示す重要な結果です。さらに、私たちは前立腺がんに関連する要因、例えば葉酸やビタミンEも特定しました。葉酸とビタミンEは、前立腺がんリスクに関わる重要な栄養素ですが、そのメカニズムはまだよくわかっていません。
本研究では、腸内細菌が葉酸やビタミンEの生合成が、ヒト、マウスどちらでも前立腺がんに関連していることを明らかにしました。さらに、モデルマウスは将来の研究で腸内細菌がヒトの前立腺がんリスクにどのように影響するかを理解するために、貢献できると期待されます。

【用語解説】
※1 グリーソンスコア:前立腺がんの重症度を分類する方法の一つ。生体検査で採取した組織を顕微鏡で検査して、病変を判定し2~10点の9段階に分類する。
※2 16s rRNA解析:細菌叢全体のDNAを精製して、リボソームRNAである16s rRNA遺伝子を標的として増幅し、菌種の存在や割合を網羅的に解析する方法。
※3 メタゲノム解析:微生物群を培養せず、そのままゲノムを精製して直接配列を調べることで、網羅的に解析する手法。
※4 分類階級:生物学や分類学において、生物を階級で分類したもの。大きいカテゴリーから、門、綱、目、科、属、種という階級で分類される。
※5 ユビキノン:ミトコンドリアの内膜に存在し電子伝達を担う分子の一つで、体内でのエネルギー産生に関与する。いわゆる補酵素、コエンザイムQ10のことを指す。
※6 テルペノイド:炭素原子を5つ持つイソプレンを基本骨格とする化合物群で、生物活性を持つ化合物が数多く含まれることから、医薬品候補化合物を探索する際などに非常に重要となる。他にもさまざまな分野で活用されており、代表的な物質としては、カロテノイドやステロイドが知られる。

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