大幅利下げはインフレ再燃の火種となるのか
Digital PR Platform / 2024年10月1日 10時1分
ボウマンFRB理事は9月のFOMCで25bp利下げを支持し、シュローダー・エコノミスト・グループと似通った考えを持っているようです。ボウマン理事は、労働市場は依然として完全雇用に近い状態にあり、米国雇用統計は測定基準の問題や移民を巡る不確実性による影響を受けていると指摘しました。また、インフレ圧力は緩和基調にあるものの、勝利宣言をするには時期尚早であり、不必要に需要を刺激しないような慎重なペースでの利下げを支持しているとの見解を示しました。
しかし、ボウマン理事は少数派です。FOMCメンバーの今後の政策金利予測を示す「ドット・チャート」は、2024年末までに50bpの追加利下げが実施されることを示唆しました。シュローダー・エコノミスト・グループでは、この利下げは過度であると考えるものの、「FRBに逆らうな」との考え方にもある通り2024年は11月と12月のFOMCでそれぞれ25bpの利下げが実施されると想定しています。9月の大幅利下げと合わせて、2024年末までに合計100bpの利下げが実施されることになり、これはシュローダー・エコノミスト・グループの最新のマクロ経済見通しで公表した政策金利水準と比べて50bp緩和的な水準で、同見通し内で示している2025年の米国経済成長率予測を上方修正する材料となるでしょう。
(最新のマクロ経済見通しはこちらhttps://www.schroders.com/ja-jp/jp/intermediary/insights/economic-and-strategy-viewpoint-q3-2024/
)
ドット・チャートはFRBが2025年に100bpの追加利下げを実施することを示唆していますが、FOMCメンバーの予測に幅があることや中立金利を巡る不確実性を踏まえると、この見方に対しては懐疑的です。FOMCメンバーが想定する中立金利は、彼らの政策金利の長期予測の中央値として捉えることが可能であり、最新のドット・チャートを基にすると、現行の政策金利と比較して200bpほど低い2.875%となっています。しかし、図2が示すように、この方法で導かれる中立金利は2019年から2023年にかけて2.50%にとどまっていたことを踏まえると、今回の水準は上方修正されたことになります(2020年3月、FRBはドット・チャートを公表しませんでした)。したがって、米国経済に対してより楽観的な見通しが示されるようになれば、ドット・チャートが示す中立金利はさらに上振れする可能性があると考えています。
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