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VEXAS症候群患者は短期間では治療が困難で長期戦が予想される~日本の前向きレジストリ研究で解明~

Digital PR Platform / 2024年10月9日 10時0分

研究費
 本研究は、AMED免疫アレルギー疾患実用化事業(課題番号JP24ek0410107)および厚⽣労働科学研究費補助金(久留米大学 西小森隆太班長)の支援を受けて実施されました。

論文情報
タイトル: Low remission rates and high incidence of adverse events in a prospective VEXAS syndrome registry
著者:Yohei Kirino, Ayaka Maeda, Tomoyuki Asano, Kiyoshi Migita, Yukiko Hidaka, Hiroaki Ida, Daisuke Kobayashi, Nobuhiro Oda, Ryo Rokutanda, Yuichiro Fujieda, Tatsuya Atsumi, Dai Kishida, Hiroshi Kobayashi, Motoaki Shiratsuchi, Toshimasa Shimizu, Atsushi Kawakami,Kazuki Tanaka, Tomohiro Tsuji, Koji Mishima, Takako Miyamae, Anna Hasegawa, Kei Ikeda, Tomoya Watanabe, Yukie Yamaguchi, Ryuta Nishikomori, Osamu Ohara, Hideaki Nakajima, Japan VEXAS study group
掲載雑誌:Rheumatology
https://doi.org/10.1093/rheumatology/keae530






[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1706/96296/500_91_202410081554536704d73dbeb34.jpg






用語説明

*1 VEXAS症候群:2020年に発見された希少な炎症性疾患で、主に成人男性に発症する。VEXASは「Vacuoles, E1 enzyme, X-linked, Autoinflammatory, Somatic」の頭⽂字を取ったもので、骨髄内の多発空胞の存在、X染色体に関連したUBA1遺伝子変異、全身性の自己炎症性反応が特徴である。
*2 前向き研究:患者を登録し、あらかじめ定めた観察項目に基づいてデータを追跡する研究手法。この方法では、データの欠損が少なく、観察日をそろえて設定できるため、後ろ向き研究(既存データをあとから調査する研究)に⽐べて質の高い研究が可能。
*3 完全寛解:VEXAS症候群における完全寛解とは、フランスのVEXAS症候群の後ろ向きデータに基づき提唱されたもので、①VEXAS症候群の症状がない、②ステロイドの投与量がプレドニゾロン換算で10mg/日以下、③CRPが1mg/dl以下である、という3つ全ての条件を満たした状態。
*4 ユビキチン化:細胞内で特定のタンパク質にユビキチンという小さなタンパク質を結合させるプロセス。この修飾は、結合された不要なタンパク質を分解したり、タンパク質を活性化するための目印として働く。
*5 後天的なモザイク:受精卵から成体になるまでの過程で、特定の細胞や組織に遺伝子の変異が⽣じることを指す。この変異は⽣まれた後に起こるため、体内の一部の細胞だけが異なる遺伝情報を持つ状態になる。つまり、同じ個体内で、遺伝的に異なる細胞が混在している状態を「モザイク」と呼び、これは後天的に起こる。VEXAS症候群では骨髄中の造血幹細胞(生殖細胞以外の細胞)の一部に後天的なUBA1遺伝子の変異が生じ、モザイク(変異がある細胞と無い細胞が混ざった状態)によって発症する。この変異は後天的なものであり、子どもに遺伝することはない。

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