才能あるデザイナーやアーティストの発掘・支援・コラボレーションを目指した デザインとアートのコンペティション 「TOKYO MIDTOWN AWARD 2024」結果発表
Digital PR Platform / 2024年10月10日 17時30分
◆審査員総評
・金澤 韻(現代美術キュレーター)
パブリックな場所での展示、そしてたまたま通りかかるオーディエンスにも向けた作品を考えていく時に、ふだんの実践を曲げたり薄めたりせず、工夫をこらしてプランを練ってくださった方が何人もいました。パブリックアートと、美術館など専門施設における表現が接続していくような新しい扉を、参加者のみなさんが開けようとしているのを感じました。一方で、思考や技術、空間に対するセンスなど、ふだんから使ったり深めたり磨いたりしていなければやはり勝負には勝てないということも(当然といえば当然ですが)見えた審査でした。
・永山祐子(建築家)
二次審査からファイナリストに選ばれた6作品はどれもレベルが高い作品が並んだように思う。最終審査で実際に展示された作品は想像していたものとは違っていたり、想像を超えているものもあり、やはり現物を見て、より色々なことに気付かされた。このアワードの難しさは美術館とは違い、パブリック空間の中で通り過ぎる人々とどのようにコミュニケーションを取れるかということにある。最終的に評価された作品はそこが秀逸だった。またこの都市のど真ん中にどのような批評性を持ち込むかという点も評価の対象であったと思う。今回のパブリックにさらされる経験を通してさらにジャンプして欲しい。
・林 寿美(インディペンデント・キュレーター)
今年のファイナリスト6名の作品は力作揃いで、次世代作家たちの可能性を大いに感じるものばかりでした。コンセプトの強度、東京ミッドタウンという公共の場所での見せ方の工夫、自身の表現の作り込みなど、応募時のプランから大きく変わったものもありましたが、それぞれが審査員から投げかけた課題に対して真摯に取り組まれた結果であると思います。アーティストは同じ地点に留まってはいけないものです。みなさんの今後の作家活動のさらなる展開を楽しみにしています。
・ヤノベケンジ(現代美術作家/京都芸術大学教授/ウルトラファクトリー・ディレクター)
6作家全員が二次審査のプレゼンテーションからの作品の成長が大きく見られたので驚いている。全身全霊をかけて制作に取り組まれたであろう作品群の爽快なエネルギーに大きく心を揺さぶられた。グランプリを選ぶには悩ましい才能のぶつかり合いであった。
・脇田 玲(アーティスト/慶應義塾大学教授)
東京ミッドタウン(六本木)の地下一階は強い空間です。そこにインストールされる作品には街の力に負けない表現の強度、もしくは、場の構成要素を空気投げのように自らの魅力に取り込む吸引力が求められました。もし会場がホワイトキューブであったならば、選考結果は違うものになっていたことでしょう。グランプリと準グランプリに選考された作品には都市と個人(アーティスト)の関わり方がとてもクリアに表現されていたように感じます。私たちは都市を消費するだけの存在ではなく、もっと創造的に関与していくことができる存在なのです。
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