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植物の精細胞を覆う膜の統一名称を決定

Digital PR Platform / 2024年10月17日 14時0分


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図2 三細胞性花粉の花粉形成過程

研究内容
 名称の統一に向けては、精細胞を覆う膜の性質を適切に表し、かつ、簡潔で使いやすいものが求められました。しかし、花粉や重複受精をさまざまな観点から扱う世界中の専門家の意見を取り入れ、皆が納得する名称を提案する作業は大きな挑戦でした。そこでThomas Widiez博士と丸山大輔准教授が着目したのは、旧名称のほとんどが細胞膜(原形質膜)を意味するplasma membraneを含む点でした。精細胞を覆う膜は確かに栄養細胞の細胞膜を起源としていますが、近年の研究でこの膜に含まれるリン脂質やタンパク質の構成が通常の細胞膜とは異なることがわかってきています[7-10]。そこで、典型的な3種の細胞膜タンパク質SYP121、 SYP132、 LTI6bを蛍光タンパク質でラベルして、その局在を確認しました。すると、いずれも花粉管栄養細胞の細胞膜には存在する一方、精細胞を覆う膜では検出されないことが示されました(図3)。これは、今回議論となっている精細胞を覆う膜が典型的な細胞膜とは異なる性質を持つことを意味しています。これにより、新名称から“plasma membrane”を除くことで合意が得られました。その後の議論で、雄原細胞と精細胞の両方の意が含まれるgerm cellという語に対して、「周辺の、覆う」の意をもつ接頭辞のperiを合わせたperi-germ cell membraneが新名称として選ばれました。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1706/97072/450_269_20241016141230670f4b3e9dada.jpg


図3 典型的な細胞膜タンパク質はperi-germ cell membraneに局在しない
蛍光タンパク質でラベルした典型的な細胞膜タンパク質(SYP121, SYP132, LTI6b)とperi-germ cell membrane局在シグナル(Lyn24)をつないだ蛍光タンパク質を花粉管栄養細胞で発現させた。伸長中の花粉管において典型的な細胞膜タンパク質は花粉管栄養細胞膜への局在を示した。一方で、伸長中の花粉管および精細胞放出後の両方においてperi-germ cell membraneには局在しなかった。赤い矢印で示した部分の相対蛍光強度をグラフに示している

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