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法政大学植木教授らが東京都で128年ぶりに植物プランクトン「ボルボックス」を再発見

Digital PR Platform / 2024年10月17日 14時5分

法政大学植木教授らが東京都で128年ぶりに植物プランクトン「ボルボックス」を再発見



法政大学自然科学センター・法学部の植木紀子教授と法政大学の野崎久義兼任講師らは、法政大学市ケ谷キャンパス近くの外濠にて採集した水から緑藻ボルボックス「SB01」を発見し、「サガミボルボックス」(Volvox sp. Sagami)であることを同定しました。東京都からボルボックスが発見されたのは、明治時代以来128年ぶりとなります。現在、この株は国立環境研究所に保存され、世界中の研究者が利用可能となっています。本研究の結果は、2024年9月23日付で学術誌『PLOS ONE』に掲載されました。




◆背景
 植物プランクトンであるボルボックス(Volvox)は、その美しい球形の個体が泳ぐ様子から「緑の真珠」「ミクロのミラーボール」などと形容され、古くから多くの科学者を魅了してきました(図1)。東京都からは1896年に東京帝国大学の石川千代松教授によってその存在が記載されたものの、それ以降長らく報告がなく、東京産のボルボックスの実態は謎に包まれたままでした。

◆研究内容と成果
 今回、我々は2021年5月に法政大学市ケ谷キャンパス近隣の地点で外濠の水の調査を行い、そのサンプルにボルボックスが含まれることを見出しました。このボルボックスを「SB01(Sotobori, No. 01)」と名付け、サンプルから単離して無菌培養株を確立することに成功しました。
 SB01の無性球体は4-5個の娘球体(次世代のボルボックス)を親球体の中に有し、親球体の細胞どうしは太い細胞質連絡で互いに繋がれていることが観察されました(図2A-C)。これは「ボルボックス節」という分類グループに共通する形態です。また、SB01の有性生殖を誘導したところ、一個体あたり10-20個の接合子が生じ、その接合子は45μm程度と比較的大きく長さ3μm以下の短い棘を持つという固有の特徴があることを突き止めました(図2F-H)。
 さらに、ゲノムDNA情報から系統解析を行った結果、SB01は、琵琶湖から新種として同時に報告されたボルボックス・ビワコエンシス(Volvox biwakoensis)や、関東地方の水田から報告のあるボルボックス・フェリシー(Volvox ferrisii)とは異なる、これまで相模湖等の日本の湖沼から報告されていた「サガミボルボックス」(Volvox sp. Sagami)であることを同定することができました。

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