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若年(AYA)世代乳癌に特異的な生物学的特徴を解明

Digital PR Platform / 2024年10月28日 10時0分

若年(AYA)世代乳癌に特異的な生物学的特徴を解明

~新たな予後予測や治療戦略へ~

 横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科学の押正徳助教、山田顕光准教授,遠藤格主任教授らの研究グループは、ロズウェルパーク総合がんセンター(米国ニューヨーク州)の高部和明主任教授らとの共同研究により、複数の大規模データベースを用いてさまざまな癌特異的情報伝達経路の活性度を腫瘤の遺伝子発現パターンから同定し比較することで、若年(AYA:Adolescent and young adult、思春期・若年成人。15~39歳)世代乳癌が他年齢層の乳癌と異なる生物学的特徴を有することを証明しました。この研究結果は、若年世代乳癌の予後予測や治療戦略の向上において新たな示唆を与える可能性があります。
 本研究成果は、欧州腫瘍内科学会誌である「ESMO Open」誌オンライン版に先行公開されました(2024年10月14日)。

研究成果のポイント

遺伝子発現パターンを用いて、40歳未満の乳癌患者腫瘍における癌特異的伝達経路の活性度や、腫瘍微小環境の状況をスコアを用いて解析した。
若年世代ホルモン受容体陽性乳癌は、他のどの年齢層の乳癌と比較してもさまざまな癌増殖・促進系遺伝子伝達経路が活性化していることを発見した。
本研究結果は、若年世代乳癌における特異的な生物学的特徴を明らかにすることで新たな治療戦略を示唆するものである。










[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1706/97753/500_281_20241025161208671b44c8449a7.jpg

図1 AYA世代はその他の年齢層、特に閉経前グループと比較し予後不良である。



研究背景






 AYA(Adolescent and Young Adult)世代(40歳未満)の若年乳癌患者さんの予後は、他の年齢層と比較し不良であるという報告が多いにも関わらず、その臨床学的・生物学的特徴は依然として一定の見解が得られていません。その背景には、若年世代の乳癌患者が希少であることからこの年齢層に対する研究が発展せず、結果的に大多数を占める年齢層に対する治療薬・治療方針を踏襲しているのが現状です。そこで研究グループは、若年世代乳癌、特にホルモン受容体陽性乳癌を対象に遺伝子発現データを用いて若年世代乳癌に特徴的な癌の生物学的特徴の探究を行いました。


研究内容
 とくに乳癌で重要となるホルモン状態の背景を考慮し40歳未満の若年層をAYAグループ、40-55歳未満の閉経前グループ、55-65歳未満の閉経後グループ、65歳以上の高齢者グループの4群間で計5,000人以上の国外乳癌サンプルコホートを用いて比較検討を行いました。

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