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【名古屋大学】自然音や音楽の"振動触覚"でメンタルヘルスケア ~低周波刺激による症状緩和の検証へ臨床研究を開始~

Digital PR Platform / 2024年10月29日 20時5分

本研究は、加賀電子株式会社および日本学術振興会の科学研究費補助金(基盤(C) No.24K15030, No.23K06883, 基盤(B) No.23K22715)の支援を受けて実施されています。

【用語説明】
注1)触譜:触覚の時間変化を垂直力(押す力)の変化として記述する技術。触譜で記述された力の変化を音量(振幅)の時間変化として音データ(WAVやMP3など)に変換し、振動触覚に変換することが可能。
注2)振動触覚:皮膚に振動や圧力の刺激を与え、触覚を通じて低周波成分を体感させる。
注3)多動性障害(ADHD):不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする発達障害。
注4)心的外傷後ストレス障害(PTSD):強いストレス体験後に生じる精神障害。
注5)ポータブル型顔型振動呈示装置:音響データを振動に変換し、顔にフィットして触覚刺激を皮膚に伝える装置。


(※)マウスへの40Hz暴露による遺伝子発現について
遺伝子発現への影響の分析にはマイクロアレイ解析を使用しました。この解析では、刺激を受けた筋肉(上腕筋、brachii muscle)の遺伝子発現を、刺激を受けていないグループと比較しました。
1.u40Hz刺激を受けたマウスでは、脂肪酸の取り込みに関連する遺伝子の発現が増加しました。この取り込みは、PPARγ経路という細胞の代謝に重要なシグナル伝達経路に関与しています。具体的には、以下の遺伝子の発現が増加しました:
 ○Lpl(リポプロテインリパーゼ)
 ○Slc27a1(脂肪酸輸送タンパク質)
2.また、脂肪酸の酸化(エネルギーを得るための脂肪分解)に関与する遺伝子、例えばAcadl(アシル-CoAデヒドロゲナーゼ長鎖)も発現が増加しています。これにより、脂肪のエネルギー変換が活性化されていることが示唆されます。
3.一方で、時計遺伝子(体内のリズムに関わる遺伝子)の発現は抑制されました。このことは、u40Hz刺激が体内時計の調節に何らかの影響を与えている可能性があることを示しています。
まとめると、u40Hz刺激は、脂肪酸代謝やエネルギー産生に関連する遺伝子の発現を増加させ、体内時計の調整に関与する遺伝子の発現を抑制することで、筋力や耐久性に影響を与える可能性があることが示唆されました。


使用された認知症の検査方法について
WM (Working Memory): 作業記憶の検査方法
作業記憶とは、情報が入力された後約1分間保持する能力です。また、覚えた事柄を一定時間経過後に思い出す能力は「遅延再生」と呼ばれ、こちらも重要な記憶機能のひとつです。
作業記憶の検査は以下のように行います。被験者はタブレット PC に表示される 10 個の単語を記憶するように求められます。次に、被験者は 30 個の単語 (記憶するように求められた10 個と それ以外の単語20 個) を提示され、10 個のターゲット単語を選択します。遅延再生のテストのために同じテストを 20 分後にも行います。

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