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【東芝】LFP電池と同等の体積エネルギー密度を持ちながら、超急速充電と長寿命性能を両立する電池を開発

Digital PR Platform / 2024年11月6日 17時45分


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1398/98495/650_462_20241106173305672b29c17db40.png


図1:開発したNTO負極セルの性能

開発の背景
 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、自動車をはじめとした様々なモビリティの電動化が世界的に広がる中、商用車においても電動化の取り組みが進められています。既に普及が進んでいる自家用電気自動車においては、電池搭載量の拡大による充電1回あたりの航続距離の延伸や、部品の共通化などによる初期コストの低減が進む一方で、商用電気自動車は普及・拡大に向けた課題が多く残されています。
 商用車は自家用車に比べて稼働率が高く、稼働率の向上には充電効率と充電1回あたりの航続距離を確保することが必要です。充電効率を高めるためには、超急速充電の実現と、充放電を繰り返しても劣化が少ない長寿命性能が重要です。LFP電池は自家用電気自動車に広く用いられていますが、商用電気自動車に適用するには、超急速充電に加え、より高い長寿命性能が求められます。一方、航続距離は電池搭載量を増やすことでも伸ばせますが、乗客や荷物の積載スペースを圧迫し、車両の重量が増加することで電費悪化の原因となるため、電池の体積エネルギー密度を向上させ、最小限の電池を搭載して計画的に充電を繰り返すことで効率的な運用が可能です。
 また、商用電気自動車は厳しい外気温条件の中で運行されることが多いため、搭載する電池には高い耐久性が求められます。低温環境下では、電池の入出力性能が低下し、走行距離の短縮や、長い充電時間を要する問題が生じます。一方、高温環境下では、電池材料の副反応によりガスが発生、電池が膨張するなどの劣化問題が発生します。
 NTO負極を用いた電池は、リチウムの析出が原理的に起こらないことから、急速充電時に電流値を制御しなくても安全な超急速充電が可能で、充放電を繰り返しても劣化が少ない長寿命性を持ちます。さらに、低温~高温の環境下でも安定して利用できるため、稼働率と負荷が高い商用電気自動車への搭載に適しています。一般的に超急速充電を行うと電池温度が上昇し、充電速度が遅くなりますが、NTO負極を用いた電池は熱安定性が高いため、電池が高温になっても超急速充電が可能です。

本技術の特長
 当社は、LFP電池と同等の体積エネルギー密度を持ちながら、LFP電池の約10倍以上の回数で超急速充電できる長寿命性能を両立させ、低温~高温の環境で安全かつ安定した利用が可能な高信頼性を併せ持つNTO負極電池の開発に成功しました。
 NTO負極を形成するNTO粒子は放電状態で絶縁性を持つため、負極中のNTO粒子に電子を導通させるための良好な導電ネットワークを構築することが、超急速充電性と長寿命性の両立に効果的です。今般、当社は、NTO粒子の表面にナノレベルの導電剤を均一に分散させ、粒子間に強固な導電ネットワークを形成する電極製造技術を開発しました(図2)。

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