【東芝】LFP電池と同等の体積エネルギー密度を持ちながら、超急速充電と長寿命性能を両立する電池を開発
Digital PR Platform / 2024年11月6日 17時45分
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1398/98495/500_209_20241106173311672b29c7569f6.png
図2:粒子間に強固な導電ネットワークを形成する電極製造技術と製造した電極
従来、大量の導電剤が必要だったため、エネルギー密度の低下や、導電剤と電解液の副反応による寿命低下が課題でしたが、本技術により、わずかな導電剤で導電ネットワークを形成できるため、エネルギー密度と寿命の向上を達成し、さらに高安全性を維持した状態で高い入出力性能を実現できます。
当社は、本技術を適用した容量50 Ahの大型電池セルを用いて、循環バスの運行を模擬した超急速充電と放電を繰り返すサイクル試験(*4)を行い、7000サイクル後でも93%以上の容量を維持できることを実証しました(*5)。超急速充電サイクルで使用できる回数は15,000回以上と推定され、例えば、1回の充電で100km程度走行できる必要最小限の電池を搭載し、1日あたり2、3回の超急速充電を繰り返すような過酷な運用条件でも15年以上(150万km相当)の利用が可能で、途中で電池を交換することなく、廃車まで使い続けられるようになります。また、超急速充電の活用により、車両への電池搭載容量を減らし、車両コストの削減と軽量化による電費低減も可能です。初期コストと運用コストの両方でコスト削減を図れるため、総所有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)の低減が期待できます。
さらに、安全性評価としての釘刺し試験(*6)では発煙・発火がなく、高い安全性(EUCAR hazard level 3)が確認されました。また、負極への金属リチウムの析出が起こらないことから-30℃から60℃という過酷な外気温の環境下でも超急速充電が可能で、繰り返し充放電できることも確認しました。
今後の展望
当社は、CBMMおよび双日と6月から実施している実証実験を通じて、NTOを用いた次世代リチウムイオン電池の特性および車両運行データの収集を行い、商業化に向けた取り組みを進めていきます。
*1 単位体積あたりに蓄えられるエネルギーの量
*2 超急速充電サイクルを想定した部分充放電サイクル(完全な充放電ではなく、一定の容量の範囲内における充放電)において当社比較
*3 https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2024/06/news-20240620-01.html
*4 3Cの充電条件(充電3C/放電1Cサイクル)において超急速充電と放電を繰り返すサイクル試験を実施。Cは電池容量に対する充放電電流値の比。1Cは1時間で満充電状態から完全に放電した状態になる時の電流値を表す。
*5 200サイクル毎に取得した0.2C放電容量基準の容量維持率
*6 釘刺し試験SAE J 2464準拠にて
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