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統合失調症に対する新規治療方法「間欠的シータバースト刺激」の有用性を検証

Digital PR Platform / 2024年11月8日 12時47分



[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2299/98637/500_255_20241108123437672d86cd13f10.jpg




<背景および研究手法>
現在、統合失調症には抗精神病薬を用いた薬物治療が行われることが一般的です。しかし、抗精神病薬は陽性症状には有効である一方、陰性症状や認知機能障害への効果は限定的であるため、これらの症状に対する新たな治療方法の開発が精神科医療の喫緊の課題でした。最近、様々な精神疾患に対する新たな治療方法として、反復経頭蓋磁気刺激療法※5が注目されています。現在、日本ではうつ病に対してのみ反復経頭蓋磁気刺激療法が行われていますが、諸外国においては、統合失調症の陰性症状や認知機能障害に対する左背外側前頭前野への間欠的シータバースト刺激の有用性が検討されています。しかし、各研究の結果は一致していませんでした。そこで私たちは系統的レビューとネットワークメタ解析を用いて既報の研究データを統合し、統合失調症の陰性症状や認知機能障害に対する左背外側前頭前野への間欠的シータバースト刺激の有効性と安全性を検証しました。


<研究成果>
この研究によって、左背外側前頭前野への間欠的シータバースト刺激は、統合失調症の陰性症状、認知機能障害、うつ症状や不安症状に有効であることが明らかになりました。また、同治療方法は、安全性にも優れていることが分かりました。


<今後の展開>
現在、日本ではうつ病に対してのみ反復経頭蓋磁気刺激療法が行われていますが、今後、左背外側前頭前野への間欠的シータバースト刺激が統合失調症に対する治療方法のひとつになることが期待されます。また、私たちは双極症うつ病のうつ症状にも左背外側前頭前野への間欠的シータバースト刺激が有効であろうことを見出しています[引用文献1, 2]。統合失調症の陰性症状と様々な精神疾患で認められるうつ症状は似た症状であり、左背外側前頭前野への間欠的シータバースト刺激は、疾患の垣根を越えて、このような症状に有効である可能性があります。

[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2299/98637/300_297_20241108123437672d86cd10997.jpg
反復経頭蓋骨磁気刺激療法




[引用文献]
1. Kishi T, et al., Theta burst stimulation for depression: a systematic review and network and pairwise meta-analysis. Mol Psychiatry. 2024 in press
2. Kishi T, et al., Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation for Bipolar Depression: a Systematic Review and Pairwise and Network Meta-analysis. Mol Psychiatry. 2024 Jan;29(1):39-42.

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