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子どもの多様性を尊重し共に学び合い、成長できる居場所づくりを実践<東洋大学SDGs NewsLetter Vol.33>

Digital PR Platform / 2024年11月18日 12時0分

こうした状況は保育全体の課題であり、養成学校の先生や研究者、行政関係者も解決に向けて努力を重ねているところです。本学でも北区の保育関係者に対して子ども支援学科の教員がオンライン公開保育研修会を実施するなど、園同士の連携強化に向けた取り組みを進めています。

また、保護者理解も大切です。特別な支援が必要な子どもへの対応が進む中で、「自分の子どもはどうなるのか」と不安を感じる保護者もいるでしょう。したがって、インクルーシブな環境はどの子どもにもメリットがあることをいかに保護者に伝えていくのかが、地域や保護者との結びつきを強める上で求められています。多様な仲間とのかかわりは、将来さまざまな人と協力しながら過ごしていく力につながります。実際、多くの園ではさまざまな方法での働きかけが工夫されており、注意深く見ると掲示物やお便りに込められたメッセージに気付けるかもしれません。さらに理想を述べるならば、こうしたアプローチは管理職が主導し、現場の先生方は子どもたちとの関わりに専念できるような環境を整えることが望ましいですね。

適切な支援を行き届かせるための体制整備

──インクルーシブ教育のさらなる進展に向けて、注力すべきポイントを教えてください。

一見均質だと思っていても、家族との過ごし方から経済事情まで子どもたちの背景は全く異なります。障がいがあることや外国にルーツを持つことなど、インクルーシブ教育の対象とされる子どもたちの属性も、個性の延長線上にあるものです。大切にすべきなのは、「一人ひとりと向き合った保育」。良い保育をしている園では、先生たちの創意工夫が巧みに実践されています。アドバイスする立場にある私が、先生方から学ぶケースも珍しくありません。

一方で、外国にルーツを持つ子どもやその保護者への支援に関しては、まだノウハウが不足しているのが現状です。課題解決に向けて、最近では国が主導してパンフレットや研修ビデオの作成に取り組んでいます。私も過去にインクルーシブ教育の研修キットの作成に参加しました。今後はクラスづくりなど、インクルーシブ教育の実践を手助けできる教材をつくりたいと考えています。国の補助を活用すれば対応可能な範囲も広がるので、外国にルーツを持つ子どもたちへの基本的な支援策がさらに広がっていくことを期待しています。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2714/99159/600_400_20241115182610673713b2b77b4.jpg

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