1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

世界初、IOWN APNの低遅延性能によりクラウド上で映像処理を行う内視鏡システムで内視鏡医がリアルタイムな診断・治療が実現可能なことを実証

Digital PR Platform / 2024年11月19日 15時37分

 クラウドを活用した内視鏡映像処理の実現には、内視鏡機器とクラウドを接続するためのネットワークが重要であり、このネットワーク上で遅延が発生すると、内視鏡の操作に対する映像の遅れが発生してしまい、内視鏡の操作者に違和感を与えることになります。この違和感を内視鏡操作者に与えないためには、内視鏡で捉えた高画質の映像を安定的かつ低遅延でクラウド上の映像処理システムへ送る事が必要であり、その実現が課題となっていました。

2.実証実験の概要
 本実証実験では、オリンパスの内視鏡の高度な技術に加え、NTTの高速低遅延のネットワークであるAPNを組み合わせることで、クラウドにおけるリアルタイムな内視鏡映像処理(クラウド内視鏡システム:図1)の実現をめざした実機検証を実施しました。

2-1 クラウド内視鏡システムの構成
 本共同実証実験では内視鏡映像を入力するデバイス(以下「エッジデバイス」)から約150km離れた映像処理を行うサーバ(以下「サーバ」)間をAPNに接続し、クラウド内視鏡システムとして構成しました(図2)。
 実証実験においては、内視鏡スコープで撮影された映像を、内視鏡プロセッサを経由してエッジデバイスに送り、映像を非圧縮のままAPNを通じてサーバに転送しました。映像を受け取ったサーバがAI等による映像処理を行い、処理済みの映像をエッジデバイスに返送し、最終的にエッジデバイスに接続された操作者が閲覧するモニタに処理後の映像を出力しました。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/99239/700_184_20241118163607673aee670c55d.png


【図2 クラウド内視鏡システムおよびAPNの実験構成】

2-2 実証実験における各社の役割
 APNを活用したクラウド内視鏡システムの実証実験を以下の分担で行いました。
■NTT:
APN実験用環境の提供およびAPNとの接続試験やネットワーク品質の評価を実施
■オリンパス:
内視鏡装置の提供およびクラウド内視鏡システムの動作試験やソフトウェア処理の評価を実施

3.共同実証実験の成果
 本実証実験では距離約5mのケーブルによるローカル接続(内視鏡内での処理を想定)と距離約150kmのAPN接続の2構成にて映像処理を行い、操作者のモニタに出力された映像を測定用デバイスで撮影しネットワークのデータ遅延計測、および映像比較評価(図3、図4)を行いました。
 リアルタイムで映像を確認しながら検査や手術を行う内視鏡システムの特徴を踏まえると、内視鏡スコープで撮影された映像を映像処理し操作者に遅延なく表示する必要があります。そのためモニタに出力される映像データ4K/60fpsが数フレームでも遅れて表示されると操作者に違和感を与えてしまいます。
 そこで本実験では約150kmのネットワークとして許容するデータ転送の遅延値を、映像の1フレーム以内(16ミリ秒以内)にする事を目標として実験を行いました。結果は遅延値1.1ミリ秒となり、目標の1/10で転送が可能である事を実証しました(図5)。
 また内視鏡操作者の目視確認による映像比較評価の結果においても、ローカル接続とAPN接続とでは遅延・揺らぎの両面において差分が感じられないほどであることが確認でき、APNの遅延時間は映像処理のボトルネックにはなり得ないということを実証しました。
 今回エッジデバイスと約150km離れたサーバ間での映像処理が可能であることを確認できたことは、首都圏全域など広域エリアの病院を一カ所に集約した映像処理サーバで処理ができることの可能性を示しており、今後のクラウド内視鏡システムの社会実装に向けた貴重な知見を得られました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください