1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

【東芝】超伝導量子コンピュータに利用される東芝提案の素子「ダブルトランズモンカプラ」で世界トップレベルの2量子ビットゲート性能を達成 ー量子コンピュータの高性能化を実現し、社会課題の解決に貢献へー

Digital PR Platform / 2024年11月22日 10時5分






[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1398/99666/700_337_20241121214159673f2a97558ff.png


図1:「ダブルトランズモンカプラ」で結合された2つの周波数固定トランズモン量子ビットの回路図






[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1398/99666/700_420_20241121213744673f2998cb7ed.png


図2:実際に作製した回路の光学顕微鏡写真(上)
ジョセフソン接合(JJ)付近の拡大写真(下)
※光学顕微鏡写真は分かりやすいよう色付けしています


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1398/99666/600_402_20241121213750673f299e0bfa5.png


図3:結合強度の外部磁束依存性(Φexはループ内の外部磁束, Φ0は磁束量子)
外部磁束の調整により、結合強度の大きさを最小で6 kHz、最大で80 MHzまで調整できる



[画像4]https://digitalpr.jp/simg/1398/99666/550_402_20241121213756673f29a49e0c2.png


図4:2量子ビットゲートの忠実度の測定結果

今後の展望
 東芝と理研は、2量子ビットゲートの忠実度99.99%を目指して「ダブルトランズモンカプラ」のさらなる性能向上に取り組むとともに、その高い性能を保ったまま大規模化する技術を開発し、実用レベルの量子コンピュータをできるだけ早期に実現することを目指します。

 本研究の一部は、文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)「超伝導量子コンピュータの研究開発(研究代表者:中村泰信)(Grant No.JPMXS0118068682)」による助成を受けて行われました。

*1 東芝プレスリリース:https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/22/2209-01.html
*2 2つの量子ビットに対して実行する量子ゲート操作のこと。1つの量子ビットに対して実行する1量子ビットゲートと組み合わせることで、任意の量子計算を実行することができる。
*3 当社調べ。2024年10月31日現在。
*4  H. Goto. Physical Review Applied 18, 034038 (2022): https://doi.org/10.1103/PhysRevApplied.18.034038
(Editors’ Suggestion)。
*5 可変結合器は、量子計算を行う2つの超伝導量子ビットをつなぐために用いるデバイスで、量子ビット間の結合を「オン」「オフ」することで演算の実行と停止をスイッチングする。2つの超伝導量子ビットの周波数の差を大きくすると、一方の量子ビットに照射した操作用電磁波が他方に伝わって生じるエラー(クロストークエラー)を抑制できるが、従来の可変結合器では、2つの超伝導量子ビットの周波数の差が大きいと結合を完全に「オフ」にすることができず、残留結合によるエラーが発生してしまうという課題があった。
*6 ジョセフソン接合とキャパシタだけからなる最もシンプルな超伝導量子ビットのことで、現在の超伝導量子コンピュータにおいて最も標準的に用いられている。通常、数GHzの周波数を有する。1つのジョセフソン接合を有する周波数固定トランズモンと、2つのジョセフソン接合を有する周波数可変トランズモンがある。
*7 R. Li, K. Kubo, Y. Ho, Z. Yan, Y. Nakamura, and H. Goto. Physical Review X 11, 111 (2024): https://doi.org/10.1103/PhysRevX.14.041050
*8 ジョセフソン接合、キャパシタ、インダクタ(もしくはジョセフソン接合アレイ)からなる超伝導量子ビットのこと。通常、1 GHz以下の低い周波数を有し、コヒーレンス時間が長いことで知られるが、構造が複雑な上、常に外部磁場をかけ続ける必要がある。
*9 2つの超伝導体が薄い絶縁膜を介して接合されたもの。超伝導体中のクーパー対が量子トンネル効果によって絶縁膜を行き来することで、ジョセフソン効果と呼ばれる量子効果を発現する。
*10 ループを貫く磁場の大きさ×ループ面積のこと。外部磁束を使って量子ビット間の結合強度を変えることができる。
*11 T1は励起状態の緩和時間を指し、量子ビットがエネルギーを失う速度を示す。T1が長いほど量子ビットは長時間にわたって正しいビット値(0または1)を保持できる。T2は位相緩和時間を指し、量子ビットの量子重ね合わせ状態がどれだけ長く保たれるかを示す。T2が長いほど量子ビットは正確な量子状態を長時間保持できる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください