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【中部大学】マイクロ波利用でCO2 を吸収させた路盤材の短時間・大量合成技術を開発--化学産業の電化とカーボンニュートラルの促進に期待--

Digital PR Platform / 2024年11月26日 20時5分

今回、マイクロ波によって加熱時間を大幅に短縮でき、実用化のめどが立った。数値計算を利用して、熱伝導の悪い飛灰を高効率で大量に均質加熱できる加熱炉を開発し、1時間当たり40~80kgの飛灰を加熱、CO2を吸収させたままで焼結できることを確認した。新しいマイクロ波加熱炉設計法の有効性が実証されたことで、今後材料に合わせた高効率なマイクロ波加熱炉が実用化されることが期待できる。

この成果の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の委託業務(PJ コード: P16002)の結果で得られた。詳しい研究内容は化学工学の専門誌Chemical Engineering Journal(電子版)に掲載された。



3.論文の情報
雑誌名: Chemical Engineering Journal
論文タイトル:Production of carbon storage sintered body from fly ash by microwave heating
著者: Keiichiro Kashimura, Takeshi Miyata, Satoru Segawa, Souma Yamamoto, Kouhei Kurooka, Keita Kagawa, Kenji Nakamoto
DOI:10.1016/j.cej.2024.157683
URL:https://doi.org/10.1016/j.cej.2024.157683



4.用語解説
(注1) マイクロ波
周波数300MHz(波長1m)~300GHz(波長1mm)の電磁波の総称。食品を加熱する電子レンジ、電波として携帯電話や衛星放送(BS)・衛星通信(CS)などに利用されている。電子レンジには周波数2.45GHz(122mm)のマイクロ波が使われ、食品に含まれる水の分子を振動させて内部から加熱する。

(注2)飛灰(ひばい)
石炭やゴミなどを燃やした際の排ガスに含まれる灰や煤(すす)などの固形物を「飛灰」と言う。石炭の燃えカスで焼却炉内に残る「石炭灰」と区別されるが、飛灰の英語名であるフライアッシュは、石炭灰の約9割を占める。

(注3)クリンカ
焼却炉内などの壁面に融着した石炭灰で、鉱物質が半溶融状態で焼き固まった塊。粉砕してセメントの原料である粘土の代替材として利用されている。中国電力では、火力発電で発生する石炭灰の98%以上をセメント原料や土地造成材、土木材料用のクリンカを再生して有効活用している。

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