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第74回ベルリン国際映画祭終盤 コンペはイラン、ドミニカ共和国作品が好評 クリステン・スチュワート、アダム・サンドラーらハリウッド俳優も来場

映画.com / 2024年2月24日 11時0分

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「Love Lies Bleeding」クリステン・スチュワートとカティ・オブライエン ️(C)Sandra WellerBerlinale2024

 現在開催中の第74回ベルリン国際映画祭も終盤を迎え、話題作が出揃った。コンペティション作品のなかで評判がいいのはマリヤム・モガッダムとベタシュ・サナイハ監督によるイラン映画「My Favourite Cake」と、ネルソン・カルロス・デ・ロス・サントス・アリアス監督によるドミニカ共和国の「Pepe」だ。

 前者は、70歳を迎えた未亡人のヒロインが、出会いを求め、妻に先立たれたタクシー運転手と一夜を共にする物語。前半はコミカルなトーンで穏やかな笑いを誘うものの、クライマックスで孤独な老人の悲哀が一気に胸に迫る作りが上手い。背景には女性が抑圧されるイラン社会に対する批判がある。監督ふたりは海外渡航を許されず、代わって主演俳優たちがふたりの写真を掲げてフォトコールに臨んだ。

 後者はアフリカで捕獲され、コロンビアの動物園に連れてこられたカバの物語を描いたもので、カバが観客に語りかける仰天の内容だ。ただしカバの視点で描かれる部分とそうでない部分が混ざっている。全編カバ視点であれば、さらにオリジナルなものになったと思われるが、金熊賞の下馬評は高い。

 変わり種ではイタリアの若手作曲家、マルゲリータ・ビカリオが監督した19世を舞台にしたミュージカル「Gloria!」やブリュノ・デュモンが「スター・ウォーズ」などのSF映画をパロディにしたシュールなコメディ「The Empire」が印象に残った。今年のコンペティションは、オリビエ・アサイヤス、ホン・サンス、アブデラマン・シサコらベテランの名前も見られたが、評価はいまひとつだった。

 華やかなゲストとともに話題をさらったのは、ベルリナーレ・スペシャル部門の2作品、クリステン・スチュワートとカティ・オブライエンが共演したローズ・グラス監督のクライム・スリラー・ロマンス「Love Lies Bleeding」と、テレビシリーズ「チェルノブイリ」で知られるヨハン・レンクがメガホンを握ったNetflix制作、アダム・サンドラー、キャリー・マリガン共演の「Spaceman」だ。

 グラス監督の作品はA24が制作に入っている、強烈なジャンル映画。アメリカの田舎町でジムに勤めるルーが、ラスベガスで開催されるボディビルダー・トーナメントを目指す宿無しのジャッキーと出会い恋に落ちるが、そこから予期せぬハプニングが起こる。ローズ監督は参考にした作品はないと語っているものの、「バッドランズ」と「テルマ&ルイーズ」を足して現代的にチューンアップしたような感じだ。ベルリンにはローズ監督とスチュワートが出席した。

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