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難民たちが兵器に 政府が隠したがった<国境の真実>を命を懸けて告発する「人間の境界」制作秘話

映画.com / 2024年5月4日 7時0分

 しかし、ほとんどの独立系映画館はその命令を拒否。監督も会員に名を連ねる全米監督協会(DGA)も9月21日、これまでの経緯を踏まえて「私たちは、アグニエシュカのような監督が、作品を通じて議論を促進し、社会問題を反映させる上で重要な役割を担っていると強く信じています」など監督への全面的な支持を表明する声明を発表。文字通り、<政府vs映画>という表現を巡る闘いが世界的に波及していった。

 2023年9月22日にポーランドで公開された本作は2週連続トップの観客動員を記録。ポーランド映画として当時年間最高となるオープニング成績をたたき出し、異例の大ヒットとなった。ホランド監督は、こうした権力側による映画への激しい攻撃がかえって政府が隠したがった“国境の真実”への関心を広げる効果を果たしたと分析し、「人としてあるべき人道的な視点を、この映画が目覚めさせたということもあったのかもしれません」と振り返る。

 また、「本来はきっと私の話を理解してくれるような人からも、今回、非常に不愉快な反応を示されたり誤解されたりする可能性があることは承知しています。ですが、基本的には、恐れていません。以前も恐れていませんでしたから、今も恐れる理由はありません。物議をかもすようなテーマについて明確な立場を示したり発言したりすることは、大きなリスクを伴います。ですが私は、痛みを伴うような難しい選択が強いられる重要な問題や、時には解決不可能な問題に取り組むために闘わないのであれば、芸術を作ることに意味はないと感じるのです」と、一貫して変わらぬ制作スタイルを語っている。

 そんなホランド監督はすでに新作の撮影に着手しており、テーマはユダヤ人の世界的文豪フランツ・カフカの誕生から死までの人生を描くものだという。「人間の境界」はTOHOシネマズ シャンテで公開中、ほか全国順次公開。

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