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「電波少年的懸賞生活」とは何だったのか? なすび、自身の生活を“映画化”した監督と振り返る【NY発コラム】

映画.com / 2024年5月4日 10時0分

 自分にとっては弱点というか、嫌な部分だったこの長い顔を上手く使うと、自分も幸せになれるし、周りも幸せにできる。そんな笑いの素晴らしさを子どもの頃に感じたのはコメディアンという仕事で人を笑わせようという風に思った原点でもあるかもしれません。

――「電波少年的懸賞生活」の出演が決まった際、製作者の土屋敏男氏から「電波少年的懸賞生活」は“ほとんどTVで放送されない”と聞かされ、番組出演の契約も交わしてないという状態だったそうですね。その時点で「一体何が起きているのか」と疑問に思わなかったのでしょうか?

なすび : 確かに色々な疑問はありました。もちろん、最初のオーディションは“くじ引き”でしたし、企画内容は知らされていませんでした。「進め!電波少年」(「進ぬ!電波少年」の前身番組)では、ヒッチハイクでユーラシア大陸を横断した後、アメリカ縦断に赴くという企画もあったりしたので、僕もヒッチハイクに行くものだと思って、オーディションに行ったんです。

 「この中から一人を選ぶ」と言われた時、これまではユーラシア、アメリカでしたから「僕はアフリカにでも一人で行くのか?」と色々混乱していたんですが、企画の内容は知らされないまま、「この次の企画は運が必要。この中で一番運が良い人を選ぶので、オーディションはくじ引きです」と言われました。その時点で、「あれ?ちょっと想像していたものと違うかも」と思いました。実際にくじ引きをして、僕だけが当たりを引くと「じゃ、行こうか」と。当時の僕はパスポートも持っていなかったので、このまま(海外に)連れて行かれるとなると「僕はどうやって海外に行くんだろう?」と色々と意味がわからないことだらけでした。

 そして、連れて行かれたところで「あなたはここで裸一貫から懸賞だけで生活をしてもらいます」と言われました。あまりにも情報がなさすぎるので、混乱しました。単純に「懸賞だけで目標金額100万円」と言われても、理解が追いつかない。人間が懸賞金だけで生きていけるというのも想像もできなかった。これが面白くなるか――スタッフも、私たちもわからなかったんです。

 これを実際に放送できるかどうかどうか……もちろん“裸”ということもありましたし、さまざまな疑問点があるなかで「これはたぶんボツ企画じゃないのかなぁ」と思いました。懸賞で物が当たって、それを利用して長く生活をしながら、100万円がゴールなんていうことも、言われた瞬間は想像できなかったですし、これが面白くなるとは想像もつきませんでした。

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