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昆夏美・大原櫻子・海宝直人・村井良大が「この世界の片隅に」のミュージカル版で共有する悩みと喜び、切磋琢磨の日々!【若林ゆり 舞台.com】

映画.com / 2024年5月8日 13時0分

全員:(笑)。

昆:確かに、自分のセリフにマーカーを引いていたら「セリフほとんどにマーカー引いてるんじゃない!?」ってなった(笑)。マーカーのピンクがもう薄くなって出なくなっちゃうんじゃないかと思いました。「これどこで水飲めるんだろう?」という不安が……(笑)。

村井:ミュージカルだと大抵、1幕、2幕とありますよね。原作はあまり起伏が激しくはなく淡々と進むから、どこで1幕を切るんだろうなって思ったんですよ。それで台本を読んだ時、「1幕をこういう締め方で2幕に引っ張るんだ! 一豪さんすごいな」と思いました。1幕と2幕の間に、「これからどうなるんだろう」とお客さんに思わせる力があって。その構成力をすごく感じました。

 そこに、アンジェラ・アキ渾身の楽曲が加わる。曲を聞けば、ミュージカルにする意味がより一層わかるはずだ。

昆:4人で話していたのは、本当に1曲1曲がもうシングルカット曲という感じで、「全部がA面だね」と。それが26曲あるんですけど、いろいろなシーンで、いろんな曲調で使われるんです。ミュージカルだと、その曲が耳に残るということ、観劇した後に頭でリフレインされるということが大事だと思うんですね。そういった意味でも、最後で歌われる曲は、歌詞も含めて絶対に「残る」曲だと思いますね。

海宝:曲を聴いていると、とにかくすごく色彩豊かだなと思うんです。聴くとそのシーンの色味が、頭の中にふわっと浮かんでくる。僕は学生時代からアンジェラさんの曲がすごく好きだったんですが、そもそも声にドラマがあって、言葉にもすごく力があって、音楽的にもポップスではあるんだけれども、とてもメッセージ性が強く、力強さがあって。そのアンジェラさんがミュージカルを勉強してきて、今回はその成果ですよね。いろいろな要素のミックス具合が「新しいな」と感じています。

村井:アンジェラさんの曲って、ジャンプ力がすごいんです。感情的に、一気に頂点まで到達できる力があるから、そこにたまに追いつかなくてひいひい言う自分もいるんですけど(笑)。力強い曲が多いんですが、それでいて繊細というのが、本当にすごい。

 この作品の登場人物はごく普通の人々で、歌いあげそうな人は誰もいない。それをミュージカルで表現する難しさもあるはずだ。

昆:この作品をやると聞いたとき、「ザ・ミュージカル」みたいな、真ん中でうわーって歌うみたいなのは嫌だなと思ったんです。「それだと肌感が合わないな」と感じて。で、どんな曲が来るんだろうと思ったら、やっぱりとっても繊細で。でも、すずさんの心の機微を、歌うことで伝えなきゃいけないから、そのバランスですよね。どこまですずとして感情を出すのか、どこまで歌い手、役者としてエネルギーを出すか。ただわーっと歌えばいいものではもちろんないから……難しいんですよねー! 2幕で、初めてすずさんがあることに気づいてしまって歌うナンバーがあるんです。この曲はいくらでも感情的に歌えるけど、その感情をどう表現するのか。まだ経験したことのない表現を、今回はしなきゃいけないんだろうなと思っています。

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