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映画は「男性のまなざし」に満ち、実生活にも影響をもたらしている 3作品が日本初公開、ニナ・メンケス監督インタビュー

映画.com / 2024年5月11日 10時0分

 私と一緒に映画を作る前、若い頃はよく絵を描いていました。確か17歳ぐらいの時にはベルリンのギャラリーで作品が展示されたこともありました。私たちは5本の映画を一緒に作り、他の作品もぜひ日本で上映して頂けたらと思っています。ティンカはとても素晴らしく、ユニークで、映画の中で力強い存在感を放つ人です。「クイーン・オブ・ダイヤモンド」の時は主演女優としてだけでなく、編集作業にも参加していました。ティンカは今残念なことに重病を抱えており、活動はできていません。

――監督が10代の時に見た映画、お好きな映画、最近見て面白かった映画を教えてください。

 昨今の映画ですと、ジョーダン・ピールの「NOPE ノープ」はとても実験的な作品だと思いました。また、アリス・ディオップの「サントメール ある被告」は素晴らしかったです。少し前だとアニエス・ヴァルダの「冬の旅」なども。10代の頃に見た作品で印象に残っているのはアラン・レネ「去年マリエンバートで」やミケランジェロ・アントニオーニの「赤い砂漠」などです。アントニオーニ監督は、全作品に影響を受けていると思います。フェデリコ・フェリーニの「8 1/2」は何度も何度も鑑賞しました。よく「マグダレーナ・ヴィラガ」はシャンタル・アケルマンの「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」からの影響を指摘されているのですが、実は見たのは「マグダレーナ・ヴィラガ」を作った後のことで、「クイーン・オブ・ダイヤモンド」は確実に影響されていると思います。

 映画以外ですと、実存主義の作家、例えばカミュや、シュルレアリストの作家たちが好きです。マックス・エルンストやアンドレ・ブルトンなど男性のシュルレアリストたちを最初に知ったのですが、80年代後半にフリーダ・カーロはじめ女性のシュルレアリストたちの作品を知り、感銘を受けました。また2011年にロサンゼルスのLACMAで、北米では最大級の女性シュルレアリストたちの展覧会「In Wonderland: Surrealist Adventures of Women Artists」が開催され、自分と波長の合うアーティストがこんなにいたのだと感激しました。ちょうどバーバラ・ローデンの「WANDA/ワンダ」の上映があったのも同じ頃です。それまで、どれほどの女性作家たちが知られないまま来ていたのかと思い、深く考えさせられました。

――最後に日本の観客に向けてメッセージをお願いします。

 今まで観客にこういう風に受け取ってほしいと思って映画をつくったことはただの一度もありません。皆さんがそれぞれ、異なったリアクションをしてくれるのが一番嬉しいです。私はこれからも自分の心に従い、内なる情熱に駆り立てられて映画を作っていくだけです。

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