「猿の惑星 キングダム」監督が完全新作の舞台裏を語り尽くす 実写映画「ゼルダの伝説」についても言及【インタビュー】
映画.com / 2024年5月17日 18時0分
――シーザーをなきものにする、ではなく、シーザーが神格化された世界というのはアイデアですよね。
だって、シーザーは民衆を約束の地に連れて行くモーセみたいな存在だからね。神話になるべきキャラクターだし、その存在を消すことはできない。ある種、全く違う視点からシーザーを見ることが必要だったんだ。
それに、神話や伝説っていうものは、現実問題、時間が経つとそのときの人々によって歪められたり、間違って伝えられてしまう、という危険性がある。それが本作の大きなテーマの一つにもなっているんだ。
――本作の冒頭、シーザーの葬式があって、すぐに300年後の世界ですもんね。ということは、「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」の続きを作ることもできる。
たしかにそうなんだ。それはそれとして作るのはアリだと思うし、本作で導き出した“神話の変遷”が、どのようにして変わっていったのかを描くことだってできる。
――本作の続きも含めて、このフランチャイズで新作を監督する機会がまた巡ってくるかもしれませんよね。
ははは(笑)。キャストやスタッフ、制作陣、スタジオとは今回、非常にいい関係を築けたと思っているから、そうなると嬉しいよね。でも、時間とお金がかかる企画でもあるから、うまいことスケジュールにハマらないと……(笑)
――ひとつ疑問が。68年版からちょいちょい登場する人間の女性キャラ“ノヴァ”なんですが、彼女はこれまでずっとしゃべることができない役柄でしたよね。
そう。ノヴァをしゃべることができるキャラクターにした最初の作品になるよね。これは脚本のジョシュ(フリードマン)のアイデア。退化して野生に戻った人間、というのが、このシリーズの人間キャラの基本にあるから、68年版以降も何度かしゃべらないノヴァは登場するよね。だけど、そのオリジナル設定のままやるのはちょっとつまらないし、新しい挑戦だとは思えない。だったら、ノヴァがしゃべれるならどうなるか、というアイデアをジョシュが出してきたんだ。
――それゆえにあの後半部なんですね。
おっと、そこからはネタバレ。
――失礼しました。では、数多登場するエイプたちのキャラクターデザインについて。エイプが似ているようで全員の顔やからだつきが違うように見せるための工夫は?
そこ……めちゃくちゃ苦労しました。たとえば、ノアをはじめとするイーグル族。誰と誰が共感していて、誰と誰が家族だ、とか、そういった内面的なところを感じさせるためにも、同じエイプでも個性を持たせないといけなかった。
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