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息もつかせぬ衝撃とカオス! ラジ・リ監督作「バティモン5」冒頭&キャラクター紹介特別映像

映画.com / 2024年5月18日 10時0分

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政府と住民の壮絶で混沌とした戦いを予兆する、衝撃的な冒頭映像 (C)SRAB FILMS - LYLY FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023

 フランスの気鋭監督ラジ・リが、行政と移民の間で勃発する“排除”と“怒り”の衝突を描いた「バティモン5 望まれざる者」から、衝撃的な本編冒頭映像とキャラクター紹介特別映像がお披露目された。

 舞台は、パリ郊外(=バンリュー)に存在する、都市再開発を目前に控えた居住棟エリアの一画、通称「バティモン5」。そこでは、再開発のために、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進行している。前任者の急逝で臨時市長となったピエール(アレクシス・マネンティ)は、自身の信念の下、バティモン5の復興と治安改善のための政策の強行を決意する。しかし、その横暴なやり方に住民たちは猛反発。やがて、移民たちに寄り添い、ケアスタッフとして長年働いていたアビー(アンタ・ディアウ)たちを中心とした住民側と、市長を中心とした行政側が、ある事件をきっかけについに衝突し、激しい抗争へと発展していく。

 本編冒頭映像は、不安げな様子の住民に見守られるなか、バティモン5エリアに立つ巨大な団地が、爆薬で解体されるさまを映す。市長の合図によって、発火、轟音とともに、一気に団地は崩壊していくが、あろうことか、その衝撃と爆風で市長が倒れ込む。「老朽化と再開発のため」という名目で破壊される団地、そこで起こった予想だにしない事態、混乱する政府関係者、そして、パニックになる現場。劇中で巻き起こる、政府と住民の壮絶で混沌とした戦いを予兆する、衝撃的な仕上がりだ。

 続くキャラクター紹介特別映像では、戦いを取り巻く登場人物が次々と切り取られている。正義感に燃え、バティモン5の一掃に突っ走る新市長ピエール。自らもバティモン5に住み、ある事件をきっかけに、自ら立ち上がることを決意したアビー。一見穏やかだが、誰よりも怒りに燃えるブラズ(アリストート・ルインドゥラ)。行政と移民たちの間を狡猾に立ち回る副市長ロジェ(スティーブ・ティアンチュー)。正解がないなかで、それぞれの正義と信条を胸に行動する彼らの思いをとらえている。

 本作では、恐れと不満の積み重ねが、徐々に行政と住民の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していくさまが、息もつかせぬ緊迫感で描かれる。コミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることで、バンリュー地区の実態を炙り出していく。この街で不都合なものとは一体何なのか、望まれざる存在とは何を指すのか――。2024年夏季五輪を控えて盛り上がりを見せるパリが人知れず抱え続ける“暗部”に、サスペンスフルかつエモーショナルにクローズアップしている。

 「バティモン5 望まれざる者」は、5月24日に東京の新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。第72回カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞したラジ・リ監督の前作「レ・ミゼラブル」は、5月17日~23日に新宿武蔵野館にて、期間限定で上映される。

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