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ワン・イーボーの圧倒的な存在感 「無名」日本公開時の“即完売”が中国でも話題になっていた【アジア映画コラム】

映画.com / 2024年6月7日 14時0分

 ジャンルも豊かで、昔のように「三国志」などの名著や各王朝を描く歴史ドラマだけでなく、女性を主人公にする宮廷モノも多く制作され、「宮廷女官 若曦(ジャクギ)」や「瓔珞<エイラク> 紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃」などは、日本でも高評価です。日本では中国ドラマファンが増え、中国ドラマへの注目度が年々上がっていると言えるでしょう。配信プラットフォームを確認してみると、韓流ドラマほどではないですが、中国ドラマの本数も増加傾向にあります。

 一方、中国映画、特に中国のメジャー映画は、ここ10年間、日本でほとんど話題になりませんでした。

 かつての日本では、もともと“中華圏映画”に対する関心は高かったはずです。ジャッキー・チェンの映画はもちろん、チャン・イーモウ監督の武侠映画「HERO(2002)」は、2003年に興収40.5億円を記録。ジョン・ウー監督の「レッドクリフ Part I」「レッドクリフ Part II 未来への最終決戦」は、合算興収100億円超えという大ヒットを記録したくらいですから。

 ところが、10年代以降、映画ファンが好きな中国映画作家の作品以外は、興収ランキングにランクインするどころか、話題にすらならなかった印象です。確かにここ十数年は、中国映画市場が大きく成長したことで、作品の内容や方向性が少し変わりましたが、作品の質自体は決して落ちていません。

 中国ドラマのように、膨大な制作費がかかった大作も増え“普通に楽しめるエンタメ作品”も多くなりました。しかしながら、なぜか日本でなかなかうまくいかなかった。だからこそ「無名」のヒットは、ある意味とても素晴らしいことだと思います。これをきっかけに、日本の観客が中国映画の“いま”に対して興味を持てば、更に多くの中国映画が日本で上映されることになるでしょう。

 今、中国では毎年多くの日本映画が上映され、昨年は「すずめの戸締まり」「THE FIRST SLAM DUNK」、今年は「君たちはどう生きるか」といったアニメ映画が公開され、大ヒットとなりました。

 苦戦続きの実写映画も、今年5月に公開された「青春18×2 君へと続く道」が興収5000万元超(=約10億円)と良い成績を残しています。ちなみに同作では「シュー・グァンハンの日本映画出演」というニュースが、中華圏では話題になっていました。このような交流は、互いの映画文化を学んでいけば、より活発になると思っています。日本でもっと多くの中国映画が上映されれば、そこから“アジア映画”の新たな可能性が見えてくるはずです。

(徐昊辰)

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