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村上春樹、唯一映画化してほしい長編作品は「アンダーグラウンド」 原作の映画化に期待することは?

映画.com / 2024年6月17日 13時0分

 村上氏「本作を見て思ったのは、だんだん、僕がどういうものを求めているか、映画関係の方が理解してきてくれているんじゃないかなと。『バーニング』『ドライブ・マイ・カー』、そして本作にしても、わりにぴったり、やりたいことと、やってほしいことが合っているんですよね。それが、すごく素晴らしいことだと思うんです。僕の書いたものをそのまま映画にするんじゃなくて、そこに何かを付け加えて、新しいものにしてほしいというのが、僕の求めていることなんです」

 最後に、映画化したい&映画化してほしい作品について、話が及んだ。フォルデス監督は、「ドライブ・マイ・カー」を、自分も映画化したいと考えていたそう。村上氏が、「唯一映画化してほしい長編作品」として選んだのは、地下鉄サリン事件の関係者62人にインタビューを敢行した「アンダーグラウンド」。「映画にしてくれると、すごく嬉しいなと思うけど、難しいでしょうか」「いままで、(映画化の)話はなかったです。いろんな人のボイスが詰まっている本だから、そういうものを映画にしてもらえると、すごく面白いだろうなという気はするんですが」と、期待を寄せる。「あれは“日本人の再起”みたいなものの集積だと思ってるんです。フィクションなのか、ノンフィクションなのかわからないけれど、とにかく映画にしてもらえるといいな」と、呼びかけた。

 イベントの締めくくりとして、村上氏は「僕は1968年に早稲田大学に入りまして、文学部の映画演劇科に行ったんですよね。映画を本当にやりたかったけど、小説家になって良かったです。というのは、小説家の方が楽だから。通勤ないし、会議ないし、資本を集めなくていいしね。本当に楽で良いですね」と挨拶。イベントは盛況のうちに幕を閉じた。

 「めくらやなぎと眠る女」は、7月26日からユーロスペースほか全国公開。

【「めくらやなぎと眠る女」あらすじ】

 物語の舞台は、2011年の東京。東日本大震災から5日後、被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙を残して、夫・小村のもとから姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、図らずも中身の知れない小箱を女性に届けるために、北海道へと向かうことになる。同じ頃のある晩、小村の同僚・片桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨大な“かえるくん”が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだった。

 めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下――大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村、キョウコ、片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは、本当の自分を取り戻すことができるのだろうか――。

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