【インタビュー】杉咲花、心の機微を手繰り寄せながら突き進む俳優道
映画.com / 2024年6月21日 13時0分
――「泉という人物を好きになれない方もいるかもしれない」という点について、確かに彼女は斬り込み方が少々危なっかしかったり青かったりして、それが生々しさにつながっているようにも感じます。
泉は、じりじり燃えていくというよりは一気に発火するような瞬発的な気持ちの変化で、行動を起こさずにはいられなくて、違和感を覚えたときや何かが小骨のように引っかかった感覚になったときにどうにかせずにはいられない人ではないかと、私自身は捉えていました。そうした彼女の本質が、千佳(森田想)に起こった事件等がきっかけであぶり出される数カ月を描いたのが「朽ちないサクラ」という物語という意識でした。
そういったなかで、富樫さん(安田顕)との終盤のシーンはもう少しだけ冷静になって対話をしに行こうとするシーンだと思っていて。
――観る側も緊迫するシーンですが、杉咲さんご自身もそうだったのですね。
撮影では原廣利監督がシーンの最初から最後まで一連で通すというやり方をされていたため、テイク数も重ねました。私は同じお芝居を繰り返すことで鮮度が失われていってしまうタイプだという自覚があるので、すごく緊張していました。
――本作には、個人VS組織、世代間の断絶、パワーの不均衡、世の中の理不尽さやある種の搾取といった諸々がサブテキスト的に含まれているようにも感じます。
そうですね。自分自身も、ある種の当事者である感覚があります。今現在の社会は本当にたくさんの情報であふれていて、これからどうやって生きていきたいかを突きつけられている時代だと思っていて。考えなくても事が運ばれていく現状に不便を感じずに生きることもできるかもしれませんが、立ち止まって考える必要性を抱いています。
――「立ち止まって考える」象徴が、泉の「沈黙する」「見つめる」シーンの多さかなと感じました。これらについて、原監督から何か演出はあったのでしょうか。
原さんはもっと引いたところから、一枚絵で見たときに美しいかどうかに注力されている印象がありました。内面的なものに関しては、各キャストに託されていたように感じます。
――冒頭のお話にもありましたが、映画「市子」「52ヘルツのクジラたち」、ドラマ「アンメットある脳外科医の日記」、そして「朽ちないサクラ」と近年はより作品への関わり方が深くなってきた印象を受けます。「52ヘルツのクジラたち」では、約1年間に及ぶ脚本の改稿作業に参加されましたね。
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