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【インタビュー】杉咲花、心の機微を手繰り寄せながら突き進む俳優道

映画.com / 2024年6月21日 13時0分

 こういった関わり方は自分にとって最近のことなんです。近年関わる作品や人との出会いから自分がどうものづくりに関わっていきたいかが少しずつ明確になってくるなかで、本作はそのはじめの一歩を踏み出そうとしていた時期、という感覚です。

 物語に関わっていると、自分自身がこれまで経験してきたこと、価値や怒り、孤独を感じたことを頼りに物事を考える機会がたくさんあって。いま入っている現場でも議論が生まれますが、そんな中で誰かの言葉を聞いてハッとさせられる瞬間は、同時に自分の未熟さを実感する時間でもあって。作品に関わることで自分の人生にもフィードバックがある。大切な気づきをいただいてばかりだと感じます。

――そうした杉咲さんの新たなる姿勢が徐々に浸透していっているようにも感じますが、周囲の変化はいかがでしょう。

 効率がいいとは言えませんが、そちらを選んだ方が作品がよくなるのならとことん時間を割きましょう、と言って下さる方が自分の周りに残って下さっているような気がします。

――クリエイティブの出口としては極めて健全かと思いますが、きっとそちらに進んだからこその新たな痛みも生まれるのでしょうね。

 そうですね。でも、それを知らなかった頃には戻れませんし、恐れずに進んでいきたいです。自分自身がそちらを望むなら、まずは私自身がもっと変化していかないといけない、という焦りもあります。

――物語を作っていくうえで、劇場映画やテレビドラマといったメディアの違いに対する意識はいかがですか?

 自分の表現方法としては、ほとんど変わりはありません。

――ちなみに、観る側として杉咲さんの物語に対する意識は、変わってきているのでしょうか。

 変わってきていると思います。受け手のことを信じてくれているように感じられる物語に出合えた時は嬉しいですし、自分もそんな物語に携わっていきたいという気持ちが増してきていて。

 最近は「アンメット」の現場で実際のお医者さんのお話をお聞きしたり、ドキュメンタリー映像を観るなかで、やっぱり実在する人々に敵うものはないなと改めて感じて。たとえば緊迫しているときに、人はどれくらいその状態を言語や感情で表すのだろうと考えると、抑え込もうとすることのほうが多いように感じます。そういった生活者たちの心の機微をキャッチしながら、手触りを感じられるものづくりにこれからも関わっていきたいです。

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