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アンニュイな雰囲気と少女のような可憐さ 監督たちの創造性を刺激したアヌーク・エーメのキャリア、対面時の思い出【パリ発コラム】

映画.com / 2024年6月30日 12時0分

 アヌーク・エーメは芸名だが、フランス語でエーメは「愛されている」という意味がある。これを命名したのは、彼女の出演2作目(マルセル・カルネの「La Fleur de l’âge」1947)で脚本に参加した、フランスを代表する詩人のジャック・プレベールで、彼はその理由を「彼女はみんなに愛される存在だったから」と語ったとか。

 13歳のときにパリの通りでたまたますれ違ったアンリ・カレフ監督にスカウトされ、しぶしぶ俳優の仕事を始めた彼女だが、その人目を引く美しさ、アンニュイな雰囲気と少女のような可憐さが同居した魅力で多くの監督たちの創造性を刺激してきた。

 一方、私生活では4度の結婚と離婚を経験した恋多き女だった。3度目の結婚相手は「男と女」の作詞家ピエール・バルーで、撮影2日目に意気投合して、13日間の撮影が終了する前に恋人同士になっていたという。また4度目の結婚相手であるイギリスの俳優アルバート・フィニーのために、1970年に結婚したのちは7年後に離婚するまでロンドンに移住。ほぼ俳優業から離れていた。

 じつはかなり前、わたしがパリに移住したばかりの頃、彼女に取材をする機会があったのだが、指定されたカフェで彼女に会った時は、緊張のあまりほとんど記憶がない。が、あの特徴的な喋り方やときどき髪をかき上げる仕草がとてもムーディで、つい見惚れてしまったことだけは覚えている。

 フランス映画のある時代を象徴する存在が、またひとり逝ってしまった。(佐藤久理子)

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