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河合優実、ブレイクを実感も「ちゃんと自覚しないと迷子になってしまいそう」 「あんのこと」舞台挨拶レポート

映画.com / 2024年7月1日 22時0分

河合優実、ブレイクを実感も「ちゃんと自覚しないと迷子になってしまいそう」 「あんのこと」舞台挨拶レポート

(C)2023『あんのこと』製作委員会

 映画「あんのこと」の大ヒット御礼台挨拶が6月28日、東京・池袋シネマ・ロサで行われ、主演の河合優実、入江悠監督が登壇した。

 本作は、2020年6月に新聞に掲載された「少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て、映画「SR サイタマノラッパー」シリーズなどの入江監督が脚本・監督を務めた物語。ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らしていた香川杏(河合)は、小学4年生から不登校となり、売春や麻薬などに手を染め、すさんだ生活を送る。そんななか、杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅(佐藤二朗)、2人を取材するジャーナリスト・桐野(稲垣吾郎)と出会うことで、人生が変わり始めるが……。

 6月7日に全国58館でスタートし、その後62館まで上映館数を増やし、公開19日目にして、小規模公開ながら興収1億円を突破した。

 満員の客席を見た河合は「こういう形で大ヒット舞台挨拶を行えると聞いたとき、本当に嬉しかったです」と笑顔を見せる。入江監督も「個人的な話になりますが、この池袋シネマ・ロサは、大学時代の自主映画から上映してくれた映画館で、もう20年以上の付き合いなんです。そんな場所で公開後にまた舞台挨拶で戻ってこられるなんて、本当に嬉しいです」と熱い思いを吐露する。

 メッセージ性の強い作品であり、河合は初号試写の打ち上げで、スタッフの一人が「大ヒットは難しい作品なのもしれません」と話していたことに触れると、「ヒットしてほしいという思いよりも、どうやったら正しく誠実に作品の思いが届けられるのか……ということを考えていました」と述懐する。

 しかし、公開後には多くの人のもとに届いている。

 河合は「観に行ってくれた知り合いの方から連絡をもらうときも、実感がこもった感想をいただくことが多いんです。映画レビューサイトも初日に読んでいて、人前だったのでぐっと涙をこらえることもありました。観てくださった方の感想の熱量が、明らかに他の作品と違うように感じました。これからは独りよがりにならないで、観てくださっている人たちの想像力を信じようと思えました」と明かす。

 これまで数々の作品に携わってきたが、河合は本作を経験した後に「『杏が見ているから頑張ろう』とか、杏のモデルになった方を含めて、その人たちに恥じないようにしようとか、演じるということの心の支えになってくれるような瞬間があります」と本作への思い入れを語る。

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