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眞栄田郷敦、絵画特訓の成果がリアルに映る手元まで徹底した演技 映画「ブルーピリオド」撮影現場レポート

映画.com / 2024年7月3日 12時0分

 眞栄田をはじめ、キャスト陣はクランクイン前から絵画の特訓を受けた。眞栄田は訓練開始前から良い感覚を持っていたそうで、6時間もの間一度も席を立たず、水も飲まず、驚くほどの集中力で絵に打ち込んだという。指導を担当した新宿美術学院講師の海老澤功氏は「本当に藝大に受かるんじゃないか」とその熱意に太鼓判を押す。

 近藤多聞プロデューサーは「映像ではある種の新しさ、見たことのないことをやろうとしています。VFXなど技術面ももちろん、クオリティの高い映像を志そうと考えたのが、山口先生の琴線に引っかかったのではないでしょうか。半年前から始めた絵画練習には、藝大受験のレジェンド講師にお付き合いいただき、そういった本気度が、原作者の山口先生にも響いていらっしゃるような気がします」と、表現のプロである原作者にも響く映像作りを志したと語る。

 デッサンシーンは映像としては地味ではあるが、手の動かし方など細部が重要になる。今作では、絵を描く手元やシーンに吹き替えを一切使用しないことにこだわった。2カメ体制で撮影されたこの日のシーンは、八虎は初心者にありがちな鉛筆の持ち方でデッサンする、という設定だったことから、眞栄田は撮影後にモニターで映像を逐次チェックし、講師にアドバイスを求めるという徹底ぶり。半年にも及ぶ絵画特訓を経て、既に素人以上の画力を身につけていた眞栄田に対し、海老澤講師が「下手に描く方が難しいんだよね……」と苦笑する場面も見られた。

 またこの日は眞栄田と高橋が、八虎とユカちゃんとして初めて出会うシーンの撮影という記念すべきタイミングだった。スカートの制服に、金髪ロングヘアのウィッグを着用した高橋が校内の廊下を歩いたり、美術室に佇むと、一瞬にして周囲の空気がはっと変わるような存在感を見せていた。「ふたりは相対する役柄ということで、徐々に距離感を縮めながらも、あえて縮めすぎないようにしているような印象はあります。今後重要なシーンの撮影もありますが、お互いそこにむけて緊張感を高めている印象もありますね」(近藤プロデューサー)

 豊福陽子プロデューサーは「原作に、八虎が自分が描いた絵の中の渋谷を浮遊するようなシーンがあるんです。これを実写化してこのシーンが成功できたら、すごくエンタメで、見ごたえのある作品になるだろうと思いました。萩原監督にお願いしたのも、そのシーンがきっかけです。漫画では描けるかもしれないけれど、実写にして、現実と地続きで、高揚感もあるシーンにできる方、ということで萩原監督を思い浮かべました。CMやミュージックビデオも手掛けていて、そういった映像に関しては得意でいらっしゃるので、ぜひ実現したいと思ったのがきっかけです」と萩原監督起用の理由を明かす。

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