【インタビュー】進化した「クワイエット・プレイス」シリーズの“新しさ” ルピタ・ニョンゴ&ジョセフ・クインが語る
映画.com / 2024年7月4日 14時0分
さらに、エリックが、サミラにノートを渡すシーンがある。その行為は、まるで彼女に「物を書く」という生きる意味を与えたかのように映った。クインは、「ふたりはまったく異なるレンズを通して自分の死を見つめていました。サミラはこの侵略の前に、自分の人生や死と向き合わなければならなかった。観客は、すでに全てを喪(うしな)ったキャラクターを見ているんです。これは、とても興味深い視点だと思う。一方、エリックは若く、心身ともに健全で、生き延びようとしている。エリックとサムには、ある種の(将来のない)無益な目的と楽観主義な部分が共存している。それが、あの瞬間、ノートの手渡しの瞬間に完璧に凝縮されていると思うんです」
本シリーズを手がけてきたクラシンスキーは、脚本家として参加しているものの、今作は完全にサルノスキ監督の作品だ。彼とのコラボレーションについて、ニョンゴは振り返る。
「ジョン(・クラシンスキー)が、私にサム役を打診してきた際の売り込みは、このシリーズで別の物語を語りたい唯一の理由は、語るべき新しいことを見つけ、ホラー・スリラーというジャンルに含まれている世界観を拡張したいというものでした」
「ただ最初のステップは、マイケル・サルノスキという脚本家兼監督を見つけることでした。彼は処女作『PIG ピッグ』で(あなた方が)ご覧になったように、シビアな状況にあるなかで、優しさも捉えている監督です。彼はその感性を今作にも持ち込み、劇中ではいろいろなことが起きて、スケールも大きいものの、核心には優しさも含まれています。そんなマイケル監督の演出には純粋さがあり、とても新鮮なタッグでした」
最後に、物語を通して観客には何を感じ取ってほしいのか聞いてみた。クインは「本作は、何事も主観的な体験をもとに描かれている。つまり、観客自身が考えなければならないんです。だから、映画内で起きるそんな怖さ、興奮、高揚を感じて帰ってほしい。この3つを持ち帰ってもらえればいいですが、観客に委ねられています」と、締めくくった。
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