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【世界の映画館めぐり】韓国・富川国際ファンタスティック映画祭 最新韓国映画&R18+旧作カルトムービーを鑑賞

映画.com / 2024年7月21日 10時0分

 「Korean Time」は、英語字幕付きの上映で、貧しい村出身の5人きょうだいの母親が旧正月に亡くなり、養子に出されたりと長年つながりがなかった兄弟姉妹が葬儀のために集まるも、男兄弟はギャンブラーや反社会勢力とのかかわりなどワケあり、子供の誰一人として村の人たちとの交流もなく、参列者はゼロ、葬儀代をどうやって捻出しようか……をドタバタタッチで描く物語。

 他人のようにぎこちなかった兄弟姉妹の関係の変化、迫力あるバイオレンス&アクションシーン、そして最後はほろりとさせる展開と、老若男女問わず誰もが楽しめる王道のエンタメ家族ドラマでした。上映後に監督とキャスト陣が登壇したトークも開催され、会場は大盛り上がり。日本ではまだ公開作のない若手監督のようで、今後の活躍が楽しみです。

 2本目の「Fleshpot on 42nd Street」が上映されたセルロイドエロチカ部門はメイン会場の小さめのスクリーンでの上映。「保守的な性教育や政治的モダニズムから、性革命やハードコアポルノまで、さまざまな時代や社会が映画におけるセックスにおける対話や交渉について興味深い洞察を与える」(映画祭公式HPより)作品群を紹介する特集です。日本でいうところのR18+指定で、ラス・メイヤー監督作など、カルト的作品が集められているのもファンタスティック映画祭らしいところです。

 筆者が観た「Fleshpot on 42nd Street」は、ニューヨークのセックスワーカーの女性が主人公。その日常と仕事、ドラァグクイーンの友人との交友関係、恋に落ちてしまった男性との出会いと別れを軽やかに描いた作品でした。「アンディ・ウォーホルの影響を色濃く受けたシネマ・ヴェリテのスタイルと詳細な人物研究を通して、70年代アメリカのインディペンデント映画の美学とセックス・プロイテーションのユニークな融合」(映画祭公式HPより)とあるように、ドキュメンタリーのように生き生きとした実験的な映像、そして音楽も素晴らしく、特にアート系映画が好きな人には是非見てほしいなあと思える1作でした。ジャンルや作品年代的に、シニア男性客が多いのかな……と思いきや、会場は若い世代の映画ファンで8割くらい埋め尽くされていたのにも驚きでした。

 このように、たった1日でも日本ではほとんどだれも観たことのない、ジャンルとしても対照的な2作品を鑑賞でき大満足の富川国際ファンタスティック映画祭の訪問となりました。帰り際に、映画祭のキャッチコピーでしょうか「STAY STRANGE」の文字が目に焼き付き、再訪を胸に次の都市へ向かいます。次回は、韓国のまた別の映画祭、毎年5月に全州国際映画祭が行われる韓国の古都、全州の映画館をレポートします。


富川国際ファンタスティック映画祭公式HP(https://www.bifan.kr/)

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