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トランプが副大統領候補に指名。J・D・ヴァンスの映画をNetflixで見た【映画.com編集長コラム】

映画.com / 2024年7月24日 15時0分

トランプが副大統領候補に指名。J・D・ヴァンスの映画をNetflixで見た【映画.com編集長コラム】

イーロン・マスク Photo by Theo Wargo/WireImage/Getty Images

 アメリカの大統領選が俄然、熱気を帯びてきました。2024年7月13日にトランプ候補が銃撃を受け、流血しながら拳を突き上げる写真がまたたく間に拡散。世界中に衝撃が走った数日後、トランプは共和党の正式な大統領候補に選出されました。

 一方の民主党は、7月22日にバイデン大統領が選挙戦線からの撤退を表明、カマラ・ハリス副大統領(あるいは他の候補)に後続を託すというカウンターで対抗。民主・共和両陣営の動きは風雲急を告げる展開を見せています。

 そんな中、トランプが銃撃を受けた後に副大統領候補に指名した、J・D・ヴァンスの存在がとても気になりました。バイロン・ドナルズ、ティム・スコット、マルコ・ルビオなど、これまで噂されていた候補の中にあって「ベストセラー作家」というのがヴァンスのプロフィールの筆頭にあったからです。

 そのベストセラーは「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」という題名。ヴァンスはこの自伝的小説で、ラストベルトの白人貧困層のリアルな暮らしをヴィヴィッドに描いていますが、その内容は、同じ年に誕生したトランプ大統領の支持基盤を理解する上で重要な洞察を提供するものだったと。

 「ヒルビリー・エレジー」は映画にもなっていました。2020年にNetflixが映画化し、劇場公開もされています。翌年のアカデミー賞で、助演女優賞(グレン・クローズ)と、メイクアップ&ヘアスタイリング部門の2部門でノミネートも。そう言えば「何度もノミネートされているのに受賞できないグレン・クローズが、またしてもオスカーを逃した作品(今作で8回目のノミネートでした)」として、私の記憶にも残っていました。

 作品情報を改めて見直したら、監督がロン・ハワードじゃないですか。これは見ないわけにはいきません。早速Netflixで本編を鑑賞しました。

 「ヒルビリー・エレジー」は、J・D・ヴァンス自身の波瀾万丈の物語でした。オハイオ州の貧しい家庭に生まれ、シングルマザーの母親に育てられましたが、その母が薬物依存に陥ったこともあり、非常に不安定な少年時代を過ごしたこと。イジメなどもあって闇落ちしそうになっていたところ、祖母によって救われたこと。猛勉強してオハイオ州立大学に入学・卒業後、イェール大学の大学院で法律を学んだこと。母、祖母、そして後に妻になる女性など、ヴァンスの人生に大きな影響を与えた人々との、固くて、時にもろい関係性が物語をドライブしていきます。

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