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村上春樹原作初の長編アニメ映画「めくらやなぎと眠る女」監督インタビュー 制作プロセスは「目が覚めるような体験」

映画.com / 2024年7月27日 9時0分

 アニメーションとしての登場人物をまずイメージし、脚本を通して出来上がった登場人物を具体的な絵に落とし、想像を実際自分の手で描く線に変換しました。これは音楽において、イメージとしてあったものを音符にしていくのと同じことで、非常に興味深く楽しい創造的なプロセスでした。

 私にとってある種、目が覚めるような体験でした。村上春樹さんの想像した登場人物をリアルな映像として作り出していくのは非常に刺激的な体験でした。

――この作品の製作前に、何度か日本にはいらっしゃったこともあるのでしょうか?

 実際に日本に来たのはこの作品を作るということがもうほぼ決まってからなんです。ただ、以前から自分の想像上の日本というのは頭の中にありました。この映画の企画制作ももちろん東日本大震災の後でした。

――英語、フランス語版のカエルくんの声はご自身が担当されましたね。

 とても楽しかったです。自分でこの映画を作り始めたときに、この役は自分でやると決めたのですが、覚えなきゃいけないセリフが一番多く、しかも早口。若い頃は演劇もやっていましたので、これに近いテクニックを使いました。

――音楽や音の使い方も素晴らしいです。ご自身で音楽を作られるので、まずはある音楽からイメージされて、場面を作る、そういった場面もありましたか?

 音楽は自分だけで、サウンドデザインは別の人に頼みました。そして、一般的な作品と同じように、映像を作ってから音楽を付けました。

 実は最初は別のアイディアもあったのです。いわゆる、オーケストラ的サウンドデザインというか、最初に音楽を作って、そこから映像を……と考えたのですが、 あまりにも狂ったアイデアですし、これやると制作に1~2年余計にかかってしまうので諦め、普通にまず映画としてほぼ映像を完成させたところで、そこから2カ月ほどかけて音楽を作っていったのです。

 もちろん、オーケストラを使って音響デザインをまず作るのは不可能ではありません。順番が違うだけですから。非常にクリエイティブなアイデアですが、実際にやるとなると非常に細かい作業と時間がかかるでしょう。

――今作の日本公開で、日本とのかかわりがより深くなりましたね。

 確かに、日本との繋がりと縁を感じています。村上さんの作品に限らず、多くの日本の小説を読んできたので、その中で、日本文学には何か特別なものがあると感じていました。それが何なのかということを具体的に定義づけることはできないのですが。日本に何か惹かれるものがあって、私にとって特にそれは、日本の現代の小説に関して感じることが多いのです。また興味深い作家と巡り会えることを楽しみにしています。

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